頼れる選手は誰?「勝負強さ」で選ぶベストナイン
■指名打者(表16) 李大浩が強力打線の主軸として高い数字を記録したが、西武の森も同ポイントを挙げ大健闘した。李大浩が大半を打撃ポイントで稼いだのに対して森は出塁でも多くのポイントを挙げた。ただ森の本職は捕手。攻撃であげた33ポイントは捕手としては圧倒的な数字なので、捕手として出場することができるようになればチーム力が底上げされることは間違いない。3位の近藤(日本ハム)もそれは同様。両選手ともに今後は守備面でのレベルアップが待ち望まれるところだ。
■投手(表17~22) 投手は先発、救援の2人を紹介する。セ・リーグの先発1位は巨人のマイコラス。今シーズンは11連勝でシーズンを終えたが、それは幸運に恵まれたものではなく実質が伴っていた。今シーズンの145イニングのうち同点または1点リードだったイニングは107イニング、そのうち96イニングを無失点で投げ終えている。無失点率はほぼ9割となる.897と素晴らしい数字だ。また失点したイニングでも最多の失点は2にとどめていて失点率(僅差イニングでの平均失点)はわずか0.14とまさに「頼れる」投手だった。 パの先発は順当に大谷が1位。以下各チームの主力投手が並んだがその中で大嶺祐が無失点率.819と大健闘している。セ・リーグで3位に健闘した若松(中日)と合わせて今季大きく成績を伸ばした投手だといえるだろう。
救援投手はベストに加えてワーストも紹介する。あえて僅差で登板する救援投手にとって、無失点率は一般的な評価にも直結するからだ。両リーグの上位は納得の選手が占めたがとくに素晴らしい数字だったのがセーブ王のサファテを抑えてリーグ1位だった五十嵐(ソフトバンク)だ。なんと僅差イニングでの失点はわずかに1回、1点差で出す投手として五十嵐以上の投手は今シーズンいなかったといえる成績だ。セ・リーグ1位のバーネットも僅差での失点は2度だけ。今シーズンリードを守れなかったのは引き継いだ同点の走者の生還を許した、10月2日の優勝決定試合だけだった。 ワーストには今季中継ぎで苦しんだチームの選手が目立つ。阪神のベテラン2人はそれぞれ7度ずつ救援に失敗、ここ数年巨人のブルペンを支えたマシソン、山口も今シーズンは振るわなかった。両チームともブルペンの新戦力発掘は大きな課題になってきた。またパ・リーグワーストの武藤は今シーズン1度でも僅差イニングに登板した157投手中でも154位の無失点率だった。これだけ失敗しながらも20回以上僅差イニングで投入されたのは期待の証でもあるのだろう。 以上が「勝負強さ」で選んだベストナインである。意外な結果となったポジションもあり興味深い結果になったのではないだろうか。実際に発表されたベストナインと比較してお楽しみいただければ幸いである。 (株)日刊編集センター