頼れる選手は誰?「勝負強さ」で選ぶベストナイン
■捕手(表4、5) セ・リーグはリーグ制覇したヤクルトの正捕手・中村が1位。リーグで唯一規定打席に到達した捕手であり妥当なところだろう。打撃、盗塁、盗塁阻止でリーグ2位以内を記録、攻守でリーグトップの捕手といえる結果となった。大健闘だったのは巨人の小林。出場試合数は中村の約半分にとどまったが、ポイントではわずか1点差に迫っている。とくに盗塁阻止12回は中村と同数、失策でのマイナスポイントも3にとどめていて守備面では上位の数字を残した。 パ・リーグは攻撃面の3つのポイントの合計では1位だった嶋(楽天)を抑えて、炭谷(西武)が1位となった。僅差での盗塁阻止19回は両リーグトップの数字だ。弱点とされる打撃でも勝負どころの9月の3度の殊勲打で数字を伸ばし、他の捕手とそん色のないポイントを稼いだ。ほかで目立ったのはソフトバンクの高谷だ。正捕手候補の細川、鶴岡が離脱するなかで3位タイのポイントを稼ぎ見事に穴を埋めている。
■一塁手(表6、7) 畠山が両リーグ最多の打撃ポイントを稼ぎ総合でも1位となった。勝負を決める打者であることが求められる4番打者として、これ以上ない結果を残したといえるだろう。前を打つ川端、山田で作ったチャンスを確実に点につなげた畠山の働きがあってこそのリーグ優勝だったことは間違いないところだ。 パの1位は中田。ほかの一塁手の成績が伸び悩む中で順当に1位となった。ただ合計33ポイントはリーグ内の全打者中では9位に止まる。侍ジャパンの4番最有力候補としては「勝負強さ」を印象付けるとまではいかないシーズンだったかもしれない。 ■二塁手(表8、9) トリプルスリーを達成したヤクルトの山田が2位以下に圧倒的な差をつけた。チャンスメイクの回数である出塁ポイントは両リーグ2位の好成績、さらに盗塁ポイント13に対して、走塁マイナスポイントはわずかに2。ただやみくもに走っていたのではなく、質の高い内容が伴っていたことが数字でも表れている。侍ジャパンの正二塁手として山田のライバルだった菊池(広島)は大きく水をあけられた2位に止まった。強みであったはずの走塁、守備面でマイナスポイントが目立った点は残念だ。 パの1位は安定した成績を残した日本ハムの田中。2位のクルーズと攻撃面では互角だったが、僅差での失策ポイントの少なさが決め手となった。