諫早農が文部科学大臣賞 放置竹林を地域農産物へ活用 農業系高校の甲子園
「農業系高校の甲子園」と呼ばれる第75回日本学校農業クラブ全国大会のプロジェクト発表会で、長崎県立諫早農業高(諫早市立石町、前田達彦校長)の生物工学部が最優秀賞(文部科学大臣賞)に輝いた。テーマは「放置竹林を地域農産物へ活用~竹の資源化と地域農業活性の一石二鳥プロジェクト~」。報告会が3日、同校であった。 全国大会は10月下旬に岩手県であり、生物工学部が参加したプロジェクト発表分野II類(国土保全・環境創造)には、全国の地区予選を勝ち上がった9校が出場。同部の12人は、放置された農地に侵入した竹を伐採し、竹パウダーに加工して農地に添加すると、バレイショに発生する「そうか病」の抑制に効果があることを発見。約3年間の実験を繰り返し、専門機関や大学とも連携して科学的にも効果を実証した。 報告会では、部員たちがJA県中央会の真壁正二郎会長らに研究成果を発表。竹パウダーを県のバレイショ栽培に導入すると、約18億円の経費削減や、放置竹林面積約3300ヘクタールの削減につながるとの試算を示した。 真壁会長は「そうか病を自然の仕組みで解決するという発想はなかった。素晴らしい着眼点だ」と称賛。部長でバイオ園芸科3年の下川恋々菜さん(18)は「竹パウダーの適切な添加量の確認など今後の課題はある。後輩たちが頑張ってグレードアップさせてくれたら」と語った。