“新興”FC ZEROと“強豪”センアーノ神戸が決勝大会へ《JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN関西》
グループリーグの再戦は…
決勝のFC ZERO対センアーノ神戸は、前日のグループリーグでも対戦し、センアーノが1-0で勝利した試合の再戦に。すでに全国行きを決めたとはいっても、やはり「勝ちたい」、「優勝したい」という思いで選手はピッチで躍動した。 GKからパスをつなぎ守備を崩そうとするFC ZEROに対し、センアーノはロングボールを有効的に使って早い攻撃を仕掛けていく。第1ピリオドは一進一退の展開からチャンスは終盤に訪れる。しかし、FC ZEROは寺田幸志郎が、センアーノは森勇人がともに惜しいシュートを放つが得点には至らない。 そして第2ピリオド、センアーノの攻撃が激しさを増し、3分、7分、9分とチャンスを迎えるが、いずれも決めきれない。そしてスコアが動いたのは第2ピリオド終了間際の12分だった。センアーノの攻撃をはね返したボールがFC ZEROの“レフティ”幾野舜に渡りフリーで抜け出すと、前へ出たGKをかわして左足でロングシュート。これが誰もいないゴールにゆっくりと転がり吸い込まれた。FC ZEROはこのピリオド唯一にして最大のビッグチャンスを見事に活かし、先制に成功した。 勝負の第3ピリオド。苦しい時間帯にも関わらず、互いにゴールを目指して選手の運動量が落ちる様子はない。同点を目指すセンアーノは激しく攻め立て、4分に平松大志のシュート、ピッチを入れ替えた9分には吉本拓馬のボレーがFC ZEROのゴールを襲うが、GK山本睦がファインセーブを連発する。 対するFC ZEROも追加点を狙って寺田、幾野がシュートを放つが、センアーノのGK松本英大が体を張って阻止。センアーノは10分に絶好機を迎えたが、FC ZEROのDFがゴールエリア内で相手のシュートを見事にクリアし、チームを救った。そしてタイムアップの笛が響く。大喜びのFC ZEROの選手たちは笑顔が溢れ、センアーノの選手は膝から崩れ落ち涙が溢れる。FC ZEROがJA全農杯IN関西のチャンピオンとなった瞬間だ。 大会プログラムの表紙裏には「全ての子どもたちにプレーをする機会を与え、子どもたちが自由に判断して挑戦できるように」、「子どもたちがサッカーをもっと好きになり、楽しむこと」を最大目標とするのがこの大会であり、選手全員入れ替えの独自ルールはそのためにある。関西代表2チームが来るゴールデンウィークの5月、日産スタジアムでのプレーを思う存分楽しんで、様々な経験を積んで成長できることに期待したい。