寺を乗っ取られた元住職が語る 1000年を超える歴史の寺が「ごみ捨て場」 自分も被告人となり…「自身の甘さが発端です」
■これで終わらず…別の人物も登場
【正圓寺・元住職 辻見覚彦被告】「ほんまにこのままいったら泣き寝入りするしかないのかなと。不動産の事件関係にたけた人間ということで紹介してもらったのが加尻君(平岡被告)」 南野・西村両被告と縁を切った辻見被告のもとに現れたのが、加尻こと平岡弘聖(ひらおか・こうしょう)被告でした。
【正圓寺・元住職 辻見覚彦被告】「話をよく聞いてくれて、この人すごい余裕がある人やなと思いました。特養関連の書類もあの2人(南野被告と西村被告)が持って帰っていたので裁判を起こす、告訴状を作ることが全くできていなかった。裁判資料を引き出してくれたんのも、彼(平岡被告)がいたところがあった。そういう部分では、良くしてくれたと思う」 またしても、いとも簡単に平岡被告を信じた辻見被告。しかし、平岡被告も優しい時期は長くは続きませんでした。 【正圓寺・元住職 辻見覚彦被告】「1年ぐらい前からお寺を中国系の人に売ろうかなという話をちらちらしていた。(Q.それでも平岡被告を信頼した理由は?)ここ1年ぐらいは(平岡被告に)頭から押さえつけられていた。お布施や家賃は全て加尻君(平岡被告)に渡していました」
徐々に寺の実権を奪われ、いつの間にか、登記上の宗教法人代表まで平岡被告に名義変更されたのです。 これが虚偽の登記だとして平岡被告は逮捕・起訴されていますが、逮捕前の取材には「正当な手続きだった」と主張しています。
【正圓寺・元住職 辻見覚彦被告】「僕も逮捕されるぎりぎりのときにそれ(名義変更)を聞いて。(辻見被告を)逮捕させて警察の中に入れておくと、自分(平岡被告)が名目上、代表役員になってお寺を売ってしまおうと思っていたのではないか」 こうして、寺の土地と建物ばかりか、宗教法人の代表権も失った辻見被告。今は寺を離れています。
■歴史ある寺が“不法投棄”場所に 「自身の甘さが発端」
一方、住職不在となっていた正圓寺は、近隣の寺の住職ら有志が集まって住職に代わって細々と運営しています。辻見被告も時々、掃除の手伝いなどのため寺を訪れています。 --Q:あのバイクは何ですか? 【正圓寺・元住職 辻見覚彦被告】「不法投棄ですね。夜中にいろんなものを捨てにくるから。この中に入っている布団とかもそうですよね」 歴史ある寺が、ごみを捨てる場所にされている、寂しい現状があります。