奈良の駅近で外資系高級ホテル開業へ…JR東海Gと米ハイアットが提携
JR東海グループは、米ホテル大手のハイアットと提携し、奈良市の近鉄奈良駅近くにグループ初のラグジュアリー(高級)ホテルを開業する。名称は「ホテル 寧ねい 奈良」。客室は平均40平方メートル以上の広さを備え、国内外の富裕層を中心とした利用を見込む。県は、旅館・ホテルの客室数が全国でも少ないが、宿泊施設の開業は近年相次いでおり、「日帰り観光地」からの脱却に期待がかかる。(有留貴博)
同グループが5日に発表した。ハイアットの「アンバウンドコレクション by Hyatt」ブランドとして展開し、運営はジェイアール東海ホテルズが担う。敷地面積は約3300平方メートルで、館内には奈良の文化や産業に触れられる空間を設ける予定。詳細な規模や開業時期は未定。
JR東海の丹羽俊介社長は「奈良のさらなる旅の魅力を創出し、国内外に情報を発信し、現地で体験・体感してもらう場を提供できると確信しています」とコメントした。
近鉄奈良駅前の県中小企業会館と奈良商工会議所会館の跡地について、県は4月、JR東海グループを事業の優先交渉権者に選んでいた。
県の旅館・ホテルの客室数は統計が残る2008年度以降、長い間、全国で最下位が続いた。21年度は1万232室で前年度からは増えたが、全国44位で依然として全国平均を大きく下回っている。
県は、宿泊施設への補助制度を設けており、近年は旅館やホテルの建設が相次ぐ。昨夏に奈良公園(奈良市)に高級ホテルが開業し、今年9月にも近鉄新大宮駅近くに「ノボテル奈良」がオープンするなどした。