胃粘膜を保護し腸を整える「キャベツ」。しっかり効果を得るには生食が正解な理由
胃痛や胃もたれ、お腹の張りに悩まされている人は、胃の働きを助ける野菜や腸内環境を整える野菜を積極的に取り入れよう。農園を営む野菜のプロが、体にうれしい効果のある野菜の選び方や処理法、おすすめのレシピを紹介する。※本稿は、しん|野菜を育むプロ(著)、濱 裕宣(監修)『農家が教えたい 世界一使える野菜の教科書 おいしくて体にいい選び方&食べ方』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 胃酸の分泌を抑えるキャベツの栄養素 ビタミンU=「キャベジン」 胃腸の不調とは、胃酸が出すぎている、腸内環境が荒れているといった原因で、胃痛や胃もたれ、むかつき、お腹の張りやガスが生じている状態。胃を保護して働きを助ける野菜や腸内環境を整える野菜を食べて、疲れた胃腸を労ってあげてください。 胃酸は食べものを消化・吸収する際に不可欠なものですが、分泌されすぎると胃の粘膜を傷つけ、痛みやむかつきの原因となります。そこで胃の保護に役立ってくれるのが、ビタミンU、その名も「キャベジン」と別称される栄養素。キャベツに多く含まれるビタミンUには胃酸の分泌を抑えて胃粘膜を保護するほか、腸を整える作用があります。ただし水溶性で熱に弱いため、健胃・健腸効果を得たいならキャベツは生で食べましょう。 キャベツ〈アブラナ科アブラナ属〉 キャベツの旬:冬(11~3月)、春(3~5月) 春キャベツと冬キャベツとで異なる食感や風味、選び方やおいしい食べ方のポイントをつかんで、年に2回の旬のキャベツを味わい尽くしましょう。 キャベツの栄養:(水に溶けやすい水溶性栄養素)ビタミンC、葉酸、ビタミンU、(油に溶けやすい脂溶性栄養素)ビタミンK、(どちらでもない無機質栄養素)モリブデン など キャベツの選び方:春キャベツと冬キャベツは、「重さ」「大きさ」「葉の巻き方」の点で選び方が正反対なので注意してください。いずれも芯の切り口が500円玉大くらいのものは、生育不足でも育ちすぎでもない、ちょうどいい生育段階で収穫されたサイン。また、外葉(外側の濃い緑色の葉)は食べるには硬すぎるのですが、中身を保護しています。店頭にあれば外葉付きのものを選ぶと、可食部にあまり傷のないキャベツを入手できるでしょう。