〝ミスター・パリダカ〟篠塚建次郎さんの追悼コーナーがWRC会場に 3月に75歳で天国へ 実は日本人最初で最後の優勝者【WRCラリージャパン】
◇22日 世界ラリー選手権(WRC)最終戦ラリージャパン第2日(愛知県豊田市、岡崎市など) ラリージャパンの大会本部などが置かれている愛知県豊田市の豊田スタジアム内には3月に75歳で他界した名ラリードライバーの篠塚建次郎さんを追悼するコーナーが設けら、花などが手向けられている。三菱自動車の社員だった1997年に世界一過酷といわれるパリ―ダカールラリーで日本人初の総合優勝を飾り、〝ミスター・パリダカ〟としてラリー界のレジェンド的存在だった。 WRCの会場で篠塚さんの偉業をしのぶ展示がなされているのは他でもない。日本人で唯一、WRCで優勝を飾っているからだ。1991、92年に三菱ギャランVR-4で西アフリカのアイボリーコーストラリー(コートジボワール)に出場し、2連覇している。 現在はトヨタのワークスチーム「トヨタガズーレーシング」で活躍する勝田貴元が2021年のサファリラリー(ケニア)で自身初表彰台となる2位を獲得したが、日本人の表彰台は27年ぶり。その前も1994年のサファリラリーで2位を獲得した篠塚さんだった。つまり勝田よりも前にWRCで3位以内に入ったのは篠塚さんだけということになる。 ちなみにダカールラリーはラリーレイドと呼ばれる長期にわたるラリー競技で、スピードラリーとも呼ばれるWRCのシリーズには一度も加わったことはない。 一方、勝田は篠塚さんの記録を抜いて通算5度も表彰台に輝いている。21年のサファリに次いで翌22年も3位を獲得。その年の最終戦ラリージャパンでも3位に食い下がって母国大会を大いに盛り上げた。その後は昨年のフィンランドで3位、今季も第3戦サファリで2位。あとは日本人として32年ぶりの優勝を狙うだけだ。 今季はシリーズランキング7位とやや苦しんでいる勝田にとってもここが正念場。母国のラリージャパンを制して〝ネクスト・シノヅカ〟になるか。
中日スポーツ