サムスンとLGの新CEO、70年代生まれはいない…危機論で世代交代停滞(1)
この数年間大企業がスピードを出してきた「世代交代」が今年は停滞している。サムスン、LG、現代自動車グループなど大企業が50代後半~60代初めの1960年代生まれの役員を新たな最高経営責任者(CEO)に選任し、社長昇進者の中にも若い世代を起用する人事がほとんど見られなかった。 サムスン電子とサムスン系列会社が先月27日から3日にわたり社長団・役員人事を発表したが、財界では「サムスンも今年は徹底的に安定指向的な人事だった」との評価が出ている。今年社長に昇進した半導体(DS)部門の金容寛(キム・ヨングァン)経営戦略担当社長(61)とファウンドリー事業部のハン・ジンマン部長(58)だけでなく、新たに選任されたCEOが全員1960年代生まれのためだ。サムスンSDI代表に選任されたチェ・ジュソン社長が1963年生まれ、サムスンディスプレーのイ・チョン社長が1966年生まれ、サムスンベンチャー投資のユン・ジャンヒョン社長が1968年生まれなど多くの新任CEOが1968年生まれである李在鎔(イ・ジェヨン)会長(56)より年上で、1969年生まれであるサムスンSDSのイ・ジュンヒ社長だけが李会長より1歳下だ。 昨年末の定期役員人事でサムスンが1970年生まれのヨン・ソクウ映像ディスプレー事業部長を昇進させ「70年代生まれの社長時代のドアを開けた」という評価を受けたのと比較すれば今年は世代交代の意志がほとんど見えなかったという評価が出る。財界関係者は「世界的に不確実性が強まる中で躍動的な世代交代よりは安定した選択をしたとみられる」と話す。また別の財界関係者は「サムスンも新しい若いリーダーに果敢な試みを注文するには不安な、それだけ萎縮した状況という意味ではないだろうか」と話した。 サムスンは2021年末の人事で当時63歳だった金奇南(キム・ギナム)副会長、60歳の高東真(コ・ドンジン)社長、60歳の金炫奭(キム・ヒョンソク)社長の代表理事3人を全員退陣させ、当時59歳の韓宗熙(ハン・ジョンヒ)社長と58歳の慶桂顕(キョン・ゲヒョン)社長を選任し全面的な世代交代に出た。今回の人事で代表理事ツートップになった韓宗熙デバイス経験(DX)部門副会長は62歳、全永鉉(チョン・ヨンヒョン)DS部門副会長は64歳で、2021年当時の代表理事より年上だ。2020年の定期人事で52歳で社長に破格昇進した盧泰文(ノ・テムン)モバイル経験(MX)事業部長が現在の社長団では若い方に属する。ただサムスンは役員級昇進者では30代の常務と40代の副社長を輩出した。 サムスンだけでなくLGと現代自動車でも今年1970年代生まれのCEOは出なかった。LGユープラスの新CEOに選任された洪範植(ホン・ボムシク)社長は1968年生まれの56歳で、今回社長に昇進した玄晨均(ヒョン・シンギュン)LGCNS社長は1965年生まれの59歳、金栄珞(キム・ヨンラク)韓国営業本部長社長は1966年生まれで58歳だ。