「健ちゃんは、すぐに気付かれちゃう」釜山国際映画祭で喝采を浴びた有村架純と坂口健太郎が釜山で感じたこと
「さよならのつづき」で主演をつとめた有村架純さんと坂口健太郎さん。事故で恋人を失ったさえ子と、その恋人の心臓を移植された成瀬のラブストーリーは、アジア最大級の映画の祭典、釜山国際映画祭でも喝采を受けたが、ファンタジーとリアルの間を行き来するような役柄を演じる上では大変さもあったという。 【画像】釜山で撮り下ろされた有村架純さんと坂口健太郎さんの写真をみる。 後篇では、演技についての真摯な語り口から一変して、坂口さんからのちょっと意外な逆質問が。そして昨今韓国でも知られる顔になった坂口さんのナチュラルぶりを心配する有村さん。釜山の海を見ながら、リラックスして語る二人の素顔にもご注目を。
新しいものを一緒に作りたいっていう熱量の高さに、心動かされました
――この作品に出演を決めたフックになったものは何ですか? 有村さんは脚本の岡田惠和さんと朝ドラの「ひよっこ」(2017)をはじめ、多くの作品で組んでいらっしゃることも大きいとは思うんですが。 有村 まず、自分が信頼している岡野(真紀子)プロデューサーがNetflixに移籍されて、一緒にやろうっていうことを言ってくださったのが最初です。 岡野さん、岡田さん、そして監督の黒崎博さん(「ひよっこ」演出)で企画が動き始めて、おおまかな物語が決まり相手役は坂口さんが良いと思っている、という段階でお話をいただきました。 岡野さん、岡田さん、坂口さんとは「そして、生きる」(2019)でもご一緒していて。皆さんの新しいものを一緒に作りたいっていう熱量の高さに、やっぱり心動かされました。 若い頃から自分の成長を見てきてくれた人、そして成長を喜んでくれる人たちと作品を作れるというのはそんなにあることではない。それってすごく幸せだし、ありがたいことだと思うんです。そういう人たちが今までのいろんな出会いの中にいてくれてるっていうことが、心強かったのもあります。 坂口 僕はいつもは脚本で決めることが多いんですけど、今回はこの信頼出来るチームとやる、ということがやはり本当に決め手でしたね。架純ちゃんもふくめ「そして、生きる」のチームとまた一緒に出来るということが大きかった。黒崎さんとは今回が初めてですが。もちろん新しい人たちといろんな作品を、という面白さもあるけど、自分のことをある程度理解してくれるチームとやる面白さもある。理解してくれてるからこそ、どんどん新しいものが出てくる場合があるので。信頼がちゃんと確立してるから、安心してその場に臨めるし。 「さよならのつづき」の場合、脚本が固まってくると実はすごく難しいことに挑戦しようとしてるんだなとも思いましたね。ファンタジーの要素というか、説明がつかない現象をリアルな芝居で見せないといけないのは、すごく難しいなと思いながらやっていました。