SNSで「空き家差し上げます」という投稿を見つけました。「0円物件」だそうですが、本当に無料なのでしょうか?
「0円物件」とは、文字どおり不動産購入費用が0円の物件のことです。不動産物件が無料で手に入るならお得だと感じる反面、「何か裏があるのではないか?」と疑問に思う人もいるかもしれません。 そこで本記事では、「空き家差し上げます」という「0円物件」の実態を調査し、メリットとデメリットについて詳しく解説します。 ▼町内会費の支払いを拒否したら「今後ゴミを捨てるな」と言われた! 本当に従う必要はあるの?
全国にある空き家の数と割合
総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国にある空き家の数と空き家率は 表1の通りです。
※総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」を基に筆者作成 空き家の数は年々増加傾向にあり、2023年における全国での空き家の数は900万戸、総住宅数に対する空き家率は13.8%となっています。
0円物件は空き家問題を解決するために活用されている
空き家が増える主な要因として、少子高齢化による人口の減少と都市部への集中が考えられます。これによって、古かったり不便な場所にあったりする物件が空き家となり、年々増加の一途をたどっているようです。 さらに、空き家放置による深刻な問題も発生しています。例えば、倒壊や不法侵入のおそれがあるほか、景観悪化などによる近隣への迷惑も引き起こします。また、固定資産税などの税負担が増えることも問題の1つでしょう。 これらの問題を解決するために、買い手のつかない空き家を0円(無償)で譲渡する人が増えているようです。
0円物件のメリット
空き家のなかには、購入価格が0円の物件もあります。0円物件を購入する際に得られるメリットは、以下の通りです。 ・不動産物件が0円で購入できる ・補助金や助成金を利用できる可能性がある ・古い建物を自由に活用できる 「0円物件」の最大の魅力は、土地や建物を0円で入手できる点です。建物だけではなく、以前住んでいた人が使っていた畑や設備なども、そのまま譲り受けられるケースがあります。 また地方自治体が、空き家対策や地域活性化の一環として「0円物件」の仲介をしている場合は、ある一定の条件を満たせば補助金や助成金を利用できるケースもあるようです。