万博記念公園の複合施設計画見直しへ 大阪府、敷地内でのマンション建設反対で
万博記念公園(大阪府吹田市)内に大規模アリーナを中心とする複合施設を建設する計画をめぐり、誘致した府側が事業の一部を見直す方針を固めた。大阪府が20日開いた戦略本部会議で明らかにした。見直し対象は公園の外周道路内側のマンション建設計画。地元の吹田市が反対の姿勢を示していた。 【画像】令和3年に発表された、大規模アリーナを中心とした複合施設の完成イメージ 新たなスポーツ・文化拠点の整備を目的に、府有地である万博記念公園の敷地を一部活用する計画。令和12年に中核施設となる大規模アリーナをオープンさせた上で、20年までに商業施設、ホテル、マンション、オフィスを順次建設するとしていた。3年5月に三菱商事都市開発(東京)などでつくる日米3社の共同企業体(JV)が事業予定者に決定していた。 計画のうち、公園の外周道路(1周約5キロ)の内側2万5千平方メートルの敷地でのマンション建設に、吹田市側が反発。今年4月と7月に開いた住民向けの意見交換会では、公園内に住宅が建設されることに抵抗感を示す人が相次ぎ、市議会もマンション建設を認めないよう市に求める決議を可決していた。 市条例は外周道路内を特別用途地と定め、原則として住宅を建設することはできないが、市長が特別に認めた場合は可能となる。 市側は7月にJV側から事業の骨格を示した書類の提出などを受け、対応の検討を続けた。その上でマンション建設が広く地元の理解を得ることはできないと判断。「条例に規定する要件を満たさない」ことを理由に、マンション建設を認めない意向を10月下旬に府へ伝えていた。 今月20日、マンション計画の変更が府戦略本部会議で報告された。会議で吉村洋文知事は「(JV側に)代替案を早期に検討してもらう必要がある。事業を進めるためにサポートしてもらいたい」と担当部局に求めた。JV側では、市条例の規制を受けない外周道路外側でのマンション建設を前倒しで進めるという。