「たぶん最後の全日本なので…」青木祐奈22歳の“涙の引退示唆”はなぜ衝撃的だったのか?「つらい時期も長かった」5歳で始まった競技人生
「向いていないのかなと感じることもあった」
一方で影を投げかける出来事もあった。腰椎分離症の発症だった。年単位で苦しめられることになった。 「滑っていても痛いし、生活でも前後に動いたりする動作も痛かったです」 練習が望んでいるようにできないから成績は上がらない。その中で、下の世代の選手が伸びてくる。 「個人競技なので自分のやるべきことをやるのがいちばんですし、周りの結果はあんまり気にしてなかったんですけど、でも周りがどんどん強くなったり、自分が怪我して結果が出ないときにみんなが結果を出している状況は苦しかったし、自分に向いていないのかなと感じることもありました」 腰椎分離症の影響から徐々に解き放たれたかと思えた2019-2020シーズンの夏には左足首骨折の怪我に見舞われる。 1シーズン全休を経て復帰。大学2年生となった2021-2022シーズン、「いちばんのどん底」と表現する苦しい出来事に直面する。全日本選手権のショートプログラムで30位の最下位に終わり、初めてフリーに進むことができなかったのだ。
観る者を惹きつけ、年々評価を高めてきた
そこで1つの決断をくだす。拠点を変更しコーチを変えることだった。 「先生にいい景色をみせてあげたかったです」 幼少期から教えを受けたコーチのもとを離れるのは重い決断だったが、「成長することが恩返しになる」と決意。そこから流れが変わる。 2022-2023シーズンの全日本選手権で7位になり久しぶりに強化選手に復帰。2023-2024シーズンはNHK杯で初めてグランプリシリーズ出場を果たし、今シーズンのNHK杯で3位と表彰台に上がった。 ずっとこだわってきたトリプルルッツ-トリプルループの精度が上がったのをはじめ、技術面での成長の成果だった。 そればかりではない。自身を、「スケートの、表現することの楽しさを知っている人、と思います」「(青木祐奈の魅力は? )音楽を1つ1つ捉えて表現できるスケーターです」というように、観る者を惹きつける演技は年々、評価を高めてきた。2024年には「滑走屋」「ファンタジー・オン・アイス」と好評を博したアイスショーに出演したのは傍証だ。
【関連記事】
- 【感涙写真】青木祐奈(22歳)が全日本選手権で見せた美しいスケーティング。演技直後、氷上で浮かべた晴れやかな笑顔。この記事の写真を見る。
- 【あわせて読みたい】「感慨深いなと…」三浦璃来がしみじみ語った“演技以外の名シーン”…木原龍一と“じつは5年ぶり”の全日本選手権で見せた「りくりゅうの存在感」
- 【話題】「昨年ほどの達成感はない」坂本花織の“発言の真意”とは…?「息が荒くなるくらい」極限の緊張も、全日本選手権“4連覇の快挙”の舞台ウラ
- 【人気】「真央ちゃんがこんなに…」浅田真央が初出演、高橋大輔との共演で思い出した“10年前”…なぜフレンズオンアイスは「特別なショー」になったか
- 【衝撃】「え、こんなに筋肉が…」りくりゅう&かなだいの“肉体改造”…シングル時代と比較したらスゴかった「木原は体重20キロ増」「高橋の1日4食生活」