円安是正「為替相場の過度な変動、これからも必要があれば対応」…神田真人財務官
一言でいえば、AIは本当に大きな可能性を秘めているが、偽情報の拡散もある。サイバー攻撃のリスクもある。AIに人間がコントロールされたら意味がない。活用するには、リスクを十分に管理し、人間を中心に据えつつ、便益を最大化していくことが何よりも重要だ。国際金融機関とも協力し、AIがマクロ経済に与える影響の評価も後押ししたい」
――円安を是正するために、4~5月に円買い・ドル売りの介入を行った。市場に対するメッセージや効果は。
「投機などを背景にした為替相場の過度な変動に対して、安定を図るという目的に照らして、かなりの効果を上げたと考えている。
円買い介入の原資は、約200兆円の外貨準備が基本だが、それに限られるわけではまったくない。過度な変動に対して、必要な対応を取る上で、資金に限界はないという認識だ。これからも、為替市場の動向をしっかりと注視し、必要があれば対応していきたい」
※インタビューは6月20日に行いました。
◆神田真人氏(かんだ・まさと) 1987年東大法学部卒、大蔵省(現財務省)入省。主計局次長や総括審議官、国際局長などを歴任し、2021年7月から財務官。過度な円安を是正するため、大規模な円買い・ドル売り介入を指揮したほか、様々な国際会議で議論を先導した。7月31日付で退任予定。兵庫県出身。