“シナリオ”明かさない 成田空港でリアル防災訓練
チバテレ(千葉テレビ放送)
多くの外国人旅行客が利用する成田空港の旅客ターミナルで12月6日、シナリオを事前に明かさない防災訓練がはじめて行われました。 混乱する旅行客たち、中には地震をテロだと思い込んで叫びだす男性も。 訓練は、首都直下地震が発生し成田空港で震度6強の揺れを観測した想定で行われました。 参加者は日本航空や警備会社、それにテナントの従業員など約70人の空港スタッフに加え、被災した旅客役として防災を学ぶ慶応大学の学生たちあわせて40人ほどが参加しました。 血のりを使って大けがを演出するなどした学生たちのリアルな演技に、スタッフたちが 対応に迷う場面も多く見られました。 成田空港では、インバウンド需要の高まりを受け、発災時には地震に慣れていない外国人への対応力などが求められます。 一連の訓練を通して、普段から旅客案内にあたっている空港スタッフは。 参加したスタッフは― 「震災というたくさんの方々があちらこちらでけがをしている状況というのは初めてだったので、どの方を優先して対応していかなければいけないのかというところに戸惑った。やはり思うように動けなかったことが課題」 今回のシナリオを設定した地震防災を専門とする慶応大学の大木聖子准教授は、訓練でのスタッフたちの行動について旅客への声掛けができていた点を評価した一方で、課題を次のように指摘しています。 慶応大学 地震災害研究室 大木聖子 准教授 「想像していたよりもチームとして動かれていたが、もっといいチームとして“あっちにいこう”とか、けがの重傷度に応じて順番を考え仲間を増やすことは、今後の訓練で場数を踏んでいってもらえたら良い」 成田空港会社の担当者は。 NAA警備調整グループ 八重樫彰 マネージャー 「きょうの演習を踏まえて、ほかのターミナルを含めて訓練やマニュアルなどに生かしていくことで、お客様が安全に安心して成田空港を利用できるよう、成田空港全体の災害対応力向上につなげていきたい」
チバテレ(千葉テレビ放送)