【ラグビー】日本代表・原田衛が見るサマーキャンペーンの課題。
いつまで「土曜日」が続くのだろう。ラグビー日本代表の原田衛は、遠征先のバンクーバーで笑った。 「(出国前後を挟んで)土曜日が『2回』あって。もう、どんだけ土曜日があんねんという初めての感覚になりました」 控えているのはパシフィックネーションズカップ(PNC)の初戦。敵地でカナダ代表に挑む一戦は現地時間25日の14時にキックオフ。日本のファンがリアルタイムで見るのは26日の6時からとなる。ギャップは16時間。 このほど開かれた20日朝9時からのオンライン取材は、原田ら28名のツアー参加選手にとって19日午後の練習が終わった直後にあたるのだろう。 身長175センチ、体重101キロの25歳は、初めて訪れたというこの国での日々について語った。 「最初は疲労もあってかよく寝られたんですけど、2日目からは夜中に起きることがあった。まだ、時差ぼけがあるのかなと。いまは、頑張って対処している段階です」 桐蔭学園高、慶大では主将を託され、今年5月までのリーグワンを制した東芝ブレイブルーパス東京でも副将を務めた。 ナショナルチームには今年、初選出された。エディー・ジョーンズヘッドコーチが約9年ぶりにヘッドコーチとなったタイミングと重なる。 現体制にとってのスタート地点となる6月からのサマーキャンペーンは1勝4敗とした。イングランド代表、ジョージア代表、イタリア代表とのテストマッチは落とした。 『超速ラグビー』というコンセプトに沿ってテンポよく数的優位を活かすシーンも作ったが、要所でのエラーに泣いた。 原田は、JAPAN XVとして戦った対マオリ・オールブラックス2連戦を含む全5試合に先発している。その折の課題を踏まえ、PNCでの狙いを口にする。 「アタックの部分で(点を)獲りきるところがシリーズを通してできなくて、ミスで終わった部分が多かった。(被)ターンオーバーの数を減らすのがPNCの課題です。特にキックカウンターでボールを奪われることが多かったので、キックカウンターは重点的に練習しているかなと思います」 向こうの蹴った球を確保してからの攻めで、より精度にこだわるつもりだ。 個人的には、リーグワンで披露するラインブレイクを国際舞台でも披露したい。 「ボールをもらう回数を増やして、インパクトを残せればいいかなと思います。強豪国が相手になるほどディフェンスもハードになってくる。いかにそこでゲインできたり、モメンタム(勢い)を埋めたりするかが課題になります」 普段は仲間に「君が代」を教える役目を担う。リーダーのひとりとして、「もともといた選手が(今回から召集の)皆とも仲良くなって、絆は深まっている」と実感する。 小グループに分かれてのレクリエーションをおこなえば、「しゃべらない選手がいない。皆、しゃべっているな」のがわかる。フィールド内外で歩みを重ねる。