ふるさと住民登録制度、石破首相「政府でよく検討」 国民議員「高速ワンコイン化」も提案
政府の地方創生有識者会議で提言された、特定の地域に継続的に関わる「関係人口」の登録制度「ふるさと住民登録制度」について、国民民主党の長友慎治氏が11日の衆院予算委員会で質問し、石破茂首相は「政府の中でよく検討していきたい」などと語った。 この制度は、居住地以外の自治体に「ふるさと住民」として登録。住民税の分割納税などを視野に応分の負担をする一方、必要な行政サービスなどを受けられる仕組み。11月29日に開かれた「新しい地方経済・生活環境創生会議」の初会合で民間委員から提起された。 石破氏は「東京一極集中は人為的に変えていかなければ元に戻らない。そういう観点からふるさと住民登録制度をよく精査していきたい。納税との関係など問題はたくさんあるが、この新しい制度の有効性を政府内でよく検討していきたい」と述べた。 長友氏は「この制度により関係人口先の自治体へ住民税を分割納税できれば、『103万円の壁』撤廃で懸念される地方の税収減への対策にもなる」と語った。 また、坂井学防災担当相も答弁に立ち「熊本地震の際に真っ先に支援物資を届けたのは、鹿児島県の自治体だった。この制度によりふだんから関係人口が増えることは、防災面からも大変重要な意味を持つ」と指摘。 坂井氏はまた、二地域居住を促進する初の関連法が11月に施行されたことに触れ「二地域居住先との往復交通費は大きな課題だ。国土交通省が課題解決に向けて取り組んでおり、しっかり連携を取っていきたい」と述べた。 長友氏は、国民の浜口誠政調会長らが提案している高速道路料金の「ワンコイン化(低額の定額・サブスク化)」政策を紹介。「高速ワンコイン化が実現すれば、移動の負担が軽くなり地域が活性化する。そうした議論も引き続き行いたい」と語った。