藤井竜王 午後は6手のみ 佐々木八段が30連勝阻止の先手相掛かりへ誘導した第6局
将棋の藤井聡太竜王(22)=王将を含む7冠=が挑戦者に佐々木勇気八段(30)を迎える第37期竜王戦7番勝負第6局は11日、鹿児島県指宿市「指宿白水館」で1日目が始まり、戦型は先手・佐々木の相掛かりになった。 【画像あり】 佐々木八段、30連勝阻止の相掛かり採用 先手、記録係まで同じ舞台設定 藤井竜王との第6局1日目始まる お互い飛先の歩を突き合った5手目、佐々木が2分の考慮で左金を上がった。藤井のデビュー以来の29連勝を止めた、17年7月の第30期竜王戦決勝トーナメントと同じ戦型、手番。くしくも記録係まで同じ福田晴紀三段だった。 7番勝負はここまで藤井の3勝2敗で迎え、藤井が勝てば4連覇、佐々木が勝てば3勝3敗で第7局(18、19日、山梨県甲府市「常磐ホテル」)へ決着を持ち越す。佐々木は負けると初出場のタイトル戦敗退が決まる。負けられない戦いに、30連勝を阻止した戦型を採用した。 佐々木は馬を盤面中央へ引き付け、藤井は飛車を敵陣へ打ち込んだ。1日目午前で57手進んだ第1局をなお10手超え、すでに終盤の入り口と言って67手目までに至った午前。藤井が鹿児島黒牛膳、佐々木は海鮮丼定食と寿司。共にご飯は少なめだが、2人前を平らげた昼食休憩明けは一転、73手目の封じ手を含めて6手しか進まなかった。 71手目、9筋へ端角を打って王手をかけた佐々木に対し、藤井は8筋の飛車の利きを生かして歩を打って、端角の利きを止めた。このやりとりの辺りから佐々木が頭を抱える場面が見られ始めた。何か誤算があったと思われる。 それでも持ち時間8時間から藤井は4時間58分、佐々木は2時間26分の消費と2時間半の利が生じた。2日目は12日午前9時、その佐々木が行った封じ手の開封から再開される。