子どものためにタンス預金で「300万円」貯めました。大学卒業時に全額渡しても、現金なら「贈与税」の対象にはならないですよね?
子どものために貯金をする人は多いでしょう。しかし、貯金方法は人により異なります。その中の1つにタンス預金が挙げられますが、タンス預金を子どもなどに渡す際には、気を付けないと贈与税の対象になる可能性があります。 せっかく貯金を渡すなら、贈与税がかからないほうがいいと考えるのは自然でしょう。そのためにも、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。 本記事ではタンス預金で300万円を貯めて、大学卒業時などに一気に渡したら贈与税の対象になるか解説します。 ▼タンス預金していた現金を銀行に預ける場合、「税金」の支払いは発生するの?
タンス預金300万円を一気に渡すと贈与税の対象になる可能性がある
タンス預金で貯めたお金を渡す際には、贈与税がかからないと考える人もいるかもしれませんが、実際には預金方法にかかわらず財産を贈与すれば贈与税の対象になるため、贈与税を避けるために、タンス預金をすればいいと考えるのは危険です。 そもそもタンス預金はどのようにして貯めてきたかも、いついくら渡したのかも記録に残らないため、贈与税がかかるケースが十分に考えられます。 タンス預金300万円を一気に渡すと贈与税の対象になる可能性があるのは、国で定められている贈与税額の基礎控除額を超えているためです。 贈与税は、基本的に1月1日から12月31日までの期間を対象として、基礎控除額である110万円を超えた場合に課税されます。そのため、一気に300万円を渡すなら300万円-110万円=190万円が課税対象です。 課税対象額190万円で、適用される税率は10%です。 そのため、タンス預金300万円を一気に全額渡す場合、190万円×税率10%=19万円が贈与税として課税されます。贈与税を支払って一括贈与することは、方法としてはなんら問題ありません。
贈与税をかけずにタンス預金300万円を贈与する方法は?
せっかく貯めたタンス預金300万円を全額渡したいと考えるなら、渡し方に少し工夫が必要になります。例えば、贈与税の年間の基礎控除額である110万円以内に抑えて、3年間に分けて贈与する、その際には、そもそもタンス預金ではなく銀行口座を利用する方法などです。 金額を分けて贈与することに加えて、銀行口座間で送金をすれば、贈与税がかからない確実な方法といえるでしょう。 タンス預金では貯金した履歴などが分からないため、本当に1年間での贈与額が110万円以下か分かりません。そのため、客観的に見て証明できるような、各種履歴を残すのが1つのポイントです。 このような履歴が残っていない場合、一気にタンス預金300万円を渡したと判断され、贈与税の対象になる可能性が高くなるでしょう。一方で履歴が残っていれば、証拠提出が求められた際にも対応しやすくなります。 銀行に預金していると、入金履歴や出金履歴が保管されているため、毎年110万円以下の金額を預けている証明ができます。特別な事情がない限りは銀行に預金しておいたほうが、安全面や管理面も含めてメリットが大きいといえるでしょう。
まとめ
贈与した金額によって贈与税が発生するため、タンス預金300万円を大学卒業時などに一気に全額渡すと贈与税の対象になります。このような事態を避けるためにも、贈与額や贈与方法に注意しましょう。 出典 国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合 国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部