筒香嘉智に3億? 選手にカネを払い過ぎる/廣岡達朗コラム
すべては監督の責任
阪神が5月11日、首位の座を巨人に明け渡した。DeNA戦(横浜)で7点差を守り切れず、最後はベイスターズ打線にのみ込まれた。 【選手データ】筒香嘉智 プロフィール・通算成績・試合速報 阪神の投手陣は思った以上の働きをしていない。よーし、やってやろうという気が感じられない。この日先発した伊藤将司は特にそうだ。高めに球が浮いていたと言われるが、低めにほうればよいだけのことだ。投手陣全体に何か原因があるはずだ。担当コーチの資質なのか。 監督は疑問があれば本人から直接、話を聞いたらいい。そこで次はこうしようという回答が出るのだ。 ヤクルト監督時代、エースの松岡弘は、0対0のときにはいい投球をしていたのに、味方が点を取った途端に崩れる傾向があった。本人を呼んで話すと「せっかく点を取ってくれたのに、打たれたら野手に申し訳ない。そう思うと緊張して腕が振れなくなるんです」と本音を打ち明けた。投手心理とはこういうものかと、私自身も勉強になった。 結局、すべては監督の責任なのだ。ここはコーチ任せではなく俺の出る幕だと思って行かないと、最終的に損をするのは自分自身である。
やる気を出せば選手は見違えるように変わる
巨人は4連勝で首位浮上と喜んでいたが、下位チームに苦戦しているのだから、先行きは未知数である。案の定、12日のヤクルト戦(神宮)に敗れて「一日天下」に終わった。 以前書いたが、菅野智之を開幕6番手でほうらせた時点で阿部慎之助監督はまだ本物ではない。先輩はそれだけ苦労をしている。“年季"という言葉の意味を理解していないから、あんな起用をするのだ。 大城卓三は二軍落ちした。捕手として失格の烙印を押された格好だ。原辰徳前監督に見る目がなかった。代わって正捕手に復帰した小林誠司は3年ぶりに本塁打を放った。マグレに思われているが、彼の打撃がシュアになれば、昨年までの担当コーチは何を教えていたのか、という話だ。 人間というのは、やる気を出せば見違えるように変わる。今日も俺がスタメンマスクだと思って自宅を出るのと、球場に着いてみないとスタメンかどうか分からないのとでは、覚悟や準備がまるで違う。それを今季の小林は証明している。