投資信託とは…複数の株・債券に分散、リスク抑え中長期的に利益
読売333と連動も準備
個人が長期の安定的な資産形成を目指す場合に、中心的な役割を担っているのが投資信託(投信)だ。株価指数に連動するインデックス型の投信が人気で、「長期・積み立て・分散」という安定運用の基本に沿った商品となっている。 【図】「読売333」値動きのイメージ
■様々な商品
一つの企業の株式に集中投資した場合、その企業の株価が下がると大きく損をする。これに対し、投信は複数の株式や債券に分散して投資するため、リスクを抑えながら中長期的に利益を確保しやすい。資産運用会社や運用の専門家が様々な種類の投信を作っており、投資家は投資したい内容に合った商品を選び、証券会社や銀行などで購入する。多くの商品は1万円前後から購入可能だ。
投信の価格(基準価額)は、分散投資している株式や債券の値動きを組み合わせて算出し、日々変動する。売却時の基準価額が購入時よりも上がっていれば利益を得られ、下がっていれば損をする。
■インデックス型
投信は主に、株価指数などの指数(インデックス)に連動して運用する「インデックス型」と、独自に選んだ銘柄構成で指数を上回る運用成果を目指す「アクティブ型」に分かれる。
インデックス型は、日本や米国、先進国やアジア、全世界といった株価指数に連動する多数の商品が販売されている。手数料が比較的安いメリットがある。
アクティブ型は、運用会社や専門家が銘柄を調査して選んで作っており、比較的手数料が高くなる。リスクが高い傾向にある反面、インデックス型より利益が得られる可能性がある。ただ、実際は運用成績がインデックス型を下回る場合も少なくない。
初心者を含む個人投資家から支持されているのは、安定的な成果が期待できるインデックス型だ。
SMBCグローバル・インベストメント&コンサルティング(SGIC)によると、投信の純資産総額で上位5本のうち4本がインデックス型で、いずれも米国か世界株指数に連動する投信だった。
米株指数は、米S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が米主要約500社で作る「S&P500」、世界株指数は米MSCI社が世界の約2700社で作る「オール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動する投信が人気だ。米国企業が成長を続けているため、米株指数はもとより、世界株指数も大半は米株が占めている。