ハード・ソフト両面で通学路の見守り強化 危険を察知する能力を養う 八街事故3年㊦
検証した千葉工業大の赤羽弘和教授(交通工学)は「家庭でも、日常的に交通安全教育を続けることが必要だ」と話す。
■想像力を身に付ける
交通マナーを教える上では、児童の発達段階に応じた工夫も求められる。
近畿大の島崎敢准教授(交通心理学)によると、小学生の低学年の児童に「横断歩道は左右をよく見て渡りましょう」と言うだけでは十分ではない。
「なぜ左右を確認しないといけないのか。しなければ何が起きるのか、子供が想像する力を養うことが重要だ」と指摘する。
一例として子供と一緒に歩く際には「左右を見て」ではなく、「車が来ているか」「渡れそうか」と聞くことにしているという。
島崎准教授は「子供には『ルールを守りなさい』と言うばかりではなく、社会にはルールを守れない『悪い人』がいると伝えるのも大切だ。子供が危険を察知し、身を守る嗅覚を身に付けることが、事故を減らすことにつながる」と強調する。
この連載は松崎翼が担当しました。