パンダのフンは竹の香り!?ジャイアントパンダの生活を飼育員さんに聞きました
日本でもっとも多くジャイアントパンダを飼育しており、繁殖実績がある、和歌山県・白浜町の「アドベンチャーワールド」。 【写真25枚】パンダが1日に出すふんの量は15~35㎏!その色は…写真でチェックする。パンダ推しにはたまらないパンダづくしの客室も紹介! 前回はパンダファミリー“浜家”のビッグパパこと永明と、現在アドベンチャーワールドで暮らしている、ベテランママ・良浜と3人の子どもたちを紹介しました。 今回はパンダがどのような生活を送っているのか、飼育する上での苦労などを、前回に引き続きジャイアントパンダの飼育担当・陣内郁佳さんにお聞きしました。
1日何をしているの?食べるのは竹だけ?パンダの生活が気になる!
ジャイアントパンダは群れを作る動物ではなく単独で生活しています。小さい時はお母さんと一緒に生活しますが、大きくなると独り立ちをして別々に生活するようになります。 「1~2歳くらいになるとお母さんから離れて独り立ちをします。現在パークにいる良浜の3頭の子どもたちはいずれも独り立ちしている年齢なので、一緒の部屋にいることはなくそれぞれ別に過ごしています。 パンダは縄張りを持って暮らす動物なので、双子やきょうだいでしたら子どものうちはしばらく一緒にいることはありますが、お母さんとは比較的早い段階で離れて、きょうだいもいずれ別々に生活するようになります。 人間の事情で考えると『子どもなのにお母さんから引き離すのはかわいそう』と思われるかもしれませんが、そのような習性の動物ですので、ご理解いただければと思います」(以下「」内、陣内さん) ジャイアントパンダの主食は竹。アドベンチャーワールドではモウソウチク、トウチク、メダケなど7~10種類ほどの竹を使い分けて与えています。 「パンダはとてもグルメな動物で、おいしい竹を用意するのに一番苦労しています。好みが激しく、食べる時に葉のにおいを嗅いで、ダメだと口もつけずに捨ててしまいます。 1日の中でもコロコロ好みが変わったり、好き嫌いがあったり、個体によっても日によっても変わるので、そのあたりを見極めて与えるのが難しく、どの竹を用意すればいいという正解がないところが苦労する点です。 また、季節によっておいしい部分が変わったりするようで、パンダが食べている様子を見ながら判断しています。葉がたくさんついているとか、茎の色などで判断できることもありますが、必ずしもそれが当てはまるというわけではなく、多めに用意する必要があります。 1日で食べる量は1頭につき20㎏前後ですが、選り好みをするので2~3倍の量を用意します。多いときは1頭当たり1日に100㎏以上用意するときもあります。とはいえ、確保できる竹の量は限られているので、この子は食べなかったから違う子に回してみたりと、やりくりが大変ですね」 えさとなる竹は「パンダバンブーSmile広域包括連携協定」 を締結した大阪・岸和田市や、京都の業者から仕入れていますが、排気ガスのにおいがすると一切食べないそうで、道路沿いの竹は避けているとか。パーク内の各所にも非常食として竹が植えてあるそうです。 ジャイアントパンダは雑食性で、8割は主食の竹、副食としてリンゴやにんじん、動物用ビスケットも与えています。野生のパンダは、タケノコ、果実、野草のほか、小動物も食べることがあるそうです。 ジャイアントパンダは本来、肉食動物だったため、実は消化器官が竹を食べることに向いていないのだとか。食べる量が多く食べたものが消化されず出てくるため、1日に出すふんの量は15~35㎏! パーク内にはふんが展示されていますが、色も香りもまさに「竹」で驚きです。