【バレー】トヨタ車体・長野有紗「涙はメダルを獲れなかった悔しさ。決定率という課題と向き合って成長した」 Ⅴ1女子
バレーボールV1女子、トヨタ車体クインシーズ・長野有紗選手のインタビューをお届けする。 2023-24シーズンは、ミドルブロッカー長野有紗にとって躍進の年になったと言えるだろう。 ヴィクトリーナ姫路よりトヨタ車体クインシーズに移籍。その中で葛藤し、「課題」を克服した長野はシーズンの後半にかけて出場機会を増やし、結果を出した。 姫路時代から注目の選手ではあったが、トヨタ車体に移籍して見せた躍動感のあるプレーはひときわ鮮烈なものがあった。新たな長野有紗の魅力を発見したファンも多くいるだろう。 何かきっかけがあったのだろうか? 第72回黒鷲旗の開催期間中、長野選手に今季を振り返ってコメントしてもらった。
――以前もこの場所でお話をお伺いしました。ちょうど1年前ですね。結果として実りの多い移籍になったのではないでしょうか? 長野:率直に「移籍して良かった」というのが第一の感想です。 もちろんシステムなども前のチームとは違いますし、チームメイトとの関係性もまた最初からの構築になりますので、すごく難しい1年ではありました。でも、クインシーズのみんなが積極的に私のことを受け入れてくれて。 リーグの1レグはスタメンではなかったのですが、皇后杯を境に課題にしていたことがしっかり実行できて、結果に結びつけることができました。 ――その課題とは? 長野:決定率を上げていくことが求められていました。 年末の試合がない時期に、どうすればそれができるかということを自分なりに考えたんです。スタッフの方にもたくさん手伝ってもらって、毎日同じ練習をずっと繰り返して、最終的に結果が出たと思っています。 ミドルはブロックディフェンスの要になるポジションなので、もちろんブロックも大事だと思います。 でも、攻撃の役割も大きなものがあって、ミドルが真ん中でスピードのある攻撃を通していかないと、両サイドにボールが集中してしまって、苦しい試合になってしまいます。 「ミドルの決定率を上げる」という自分の役割がしっかりできたのは良かったと思っています。 ――どういうところを改善した? 長野:もちろん、セッターとのコミュニケーション、コンビを合わせるということも必要です。 でも、それ以外にも自分自身で改善できる部分もあります。 腕を上げる速さとか、ネットとの距離とか、打つタイミングもそうですね。特にその3点をスタッフにも手伝ってもらって、毎日自主練習してきました。 ――セッター高佐選手とのコンビについてはどう感じている? 長野:高佐選手はどんな場面でもミドルを積極的に使ってくれます。 私は「打ちたい」タイプなので、信頼して上げてくれることにすごく感謝しています。 ――Vリーグファイナル、3位決定戦の記者会見で、会見冒頭から涙されていました。あの涙は? 長野:すごく悔しかったんです。負けたのが。3位なりたかった。メダルを取りたかった。 チームの状態もすごく良くて、今ならどの相手にも勝てると思っていました。少なくともメダルは絶対取れると思っていたので、すごく悔しくて。 自分のプレーについても考えていました。試合ではベストをつくしたつもりでしたが、終わってみたらもっとできることはあったなって。 ――黒鷲旗はどういう大会にしたい? 長野:この大会は(リセ)ファンヘッケ選手やハッタヤ(バムルンスック)選手がいません。リーグの時とは高さも戦い方も違ってきます。まずはしっかりボールを最後まで追う。1点決めたら喜ぶ、悔いが残らないようにプレーする、そういう基本的なことを大切にして、試合の中で成長しながら上位を目指せれば、と思ってます。 ――ファンに向けて。 長野:(少しはにかんで)たくさん伝えたいことがあります(笑)。 いつも温かいご声援ありがとうございます。 皆さんが会場に足を運んでくださったり、画面越しに応援してくださる。それがとても力になっています。 もっともっと自分自身成長していきます。さらにチームの勝利に貢献できると思うので頑張ります。 これからも応援よろしくお願いします。