新型アルファロメオ・ジュニアは、期待大のコンパクトSUVだった! 来年日本上陸予定の1台に迫る
走りはやっぱりスポーティ
運転席のドアを開けると、ダッシュボードの横にも、前出のビショーネがあしらわれている。四つ葉のクローバーをモチーフにした、エアコンの吹き出し口にもビショーネが、さらにセンタコンソールのワイヤレスチャージャーにもビショーネ……いたるところにビショーネがいるのだ。 シートはサベルト製で、ヘッドレスト一体型のスポーツタイプ。しっかりサポートされるうえ、すこぶる座り心地がいい。 いよいよセンターコンソールにあるスタート/スイッチを押してスタートだ。 テストコースとはいえ、さまざまなシチュエーションが用意されている。ひとつが「LANGHE CIRCUIT」。一周20kmのコースで、110のコーナーがある。まずは「ナチュラル」モード(ノーマル)を試し、「ダイナミック」(スポーツ)、「アドバンスド・エフィシェンシー」(エコ)を試してみる。これらはセンターコンソールのスイッチで変更が可能だ。 14.6のギヤ比を持つステリングは、正確に反応してくれて楽しい。ちなみに、エレットリカ ヴェローチェはエレットリカに比べ、トルコンLSDや専用の高剛性のアンチロールバー、スポーツサスペンション、ブレーキシステム、機械式のセルフロッキングディファレンシャルを採用し、車高が25mm低くなっている。これらによって急発進、急ブレーキ、コーナリング、どのシーンでも安定して走行し、路面を忠実にとらえてくれるのが印象的だ。 続いての高速コース、「アルファロメオ トラック」では、コーナーの出口あたりで最大のトラックションがかかり、クルマが安定しながら滑らかに次のコーナーへと進み、飛び込んでいくのは楽しい。走っているうちにピュアEVであることなどすっかり忘れ、純粋にスポーティなアルファロメオの走りを堪能した。 アルファロメオはジュニアを皮切りに、2027年以降は全モデルをピュアEVのみにするという。生産こそイタリアではないが、開発、設計、テストを3年以上前からイタリアでおこなってきた。ジュニアは生粋の“イタ車”なのだ。 日本には2025年の中頃に導入予定とのこと。
文・吉田由美 編集・稲垣邦康(GQ)