厚生年金と国民年金「繰下げ受給なんてしなきゃよかった」夫婦の後悔とは。繰下げ受給4つのデメリット
繰下げ受給で年金はどれくらい増えるのか
繰下げ受給をした場合、年金額は8.4%~84%まで増額ができます。増額される金額は「繰下げた月数×0.7%」で決まります。10年まで繰下げた場合の増額率を見てみましょう。 ・66歳:8.4%~16.1% ・67歳:16.8%~24.5% ・68歳:25.2%~32.9% ・69歳:33.6%~41.3% ・70歳:42.0%~49.7% ・71歳:50.4%~58.1% ・72歳:58.8%~66.5% ・73歳:67.2%~74.9% ・74歳:75.6%~83.3% ・75歳:84.0% 68歳時点で約30%、71歳時点で約50%の年金が上乗せされます。75歳まで繰下げれば84%まで増額され、通常の約2倍の年金額を受け取れます。 年金の繰下げ受給は年金額を大きく増加できるのがメリットです。しかし、いくつか落とし穴も存在します。繰下げ受給に潜むデメリットを、次章以降で解説します。
繰下げ受給の落とし穴①振替加算が支給停止になる
年金の繰下げ受給のデメリットは、振替加算が支給停止となることです。 振替加算は、加給年金が打ち切られた後に加算される年金。夫婦世帯の場合、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が65歳になったときに、生計を共にしている配偶者や子どもがいる場合は、加給年金が支給されます。 しかし、加給年金は、生計を共にしている配偶者が年金を受給するときに打ち切られます。 そこで、代わりに配偶者の年金に加算をするのが振替加算です。 繰下げ受給をしていると、振替加算は受け取れません。振替加算は老齢基礎年金に加算されるものです。 振替加算で加算される年金額は年額1万5732円~23万4100円です。加算される期間が長いほど、受け取れなくなる金額は増えてしまいます。 繰下げによる増額分と振替加算額のどちらが大きい金額かどうか、繰下げする前に確かめておきましょう。 ただし、昭和41年4月2日以降に生まれた人は、振替加算が支給されません。そのため、次に紹介する加給年金のほうに注目しましょう。