緊急事態宣言から2週間、専門家会議が会見(全文6完)民間のPCR検査キットに懸念
現状の検査数で実態は反映されていないのか
テレビ朝日:すいません、よろしくお願いします。テレビ朝日の大石です。ちょっとPCR検査についてお伺いします。先ほど強化するというお話でしたが、資料にも十分な実施がされていないと書かれていました。現状の検査数で市中感染の実態は反映されていないということでしょうか、考えをお聞かせください。 釜萢:今、まだ体制が完全にできあがっているというわけではないですけれども、先ほど尾身先生からお話があったように、相談センターを介さずに、医師が必要と思った、判断したケースについては確実に検査につながっていくという体制を早急に今、構築しつつあるところなので、少なくとも医師が必要というふうに判断した事例については速やかにPCR検査につながっていくということが実現できるというふうに考えています。
検査件数の少なさが与える影響は?
日本経済新聞:ありがとうございました。ほか、ご質問ある方はいらっしゃいませんか。大丈夫でしょうか。石阪さんに今チャットで投げていただけるか、ちょっとお伺いしてます。接続が不安定になってる。ちょっとお待ちください。すいません。 石阪さんから質問が届きましたので、私、代行で読み上げさせていただきます。この2週間では特に検査の件数が足りず、実際の感染状況を反映できていないんじゃないかと言われていました。次の2週間でもこの状況が大幅に改善されることは考えにくい状況です。もしそうだとした場合、実効再生産数とか倍加時間など、感染者数をベースにした分析に与える制限や影響があれば、どういうものなのか教えていただきたいです。制限とかというのがちょっと少しあれですが、大丈夫ですか。 西浦:はい。大変鋭い質問なんです、実は。PCRのキャパシティーが過度に低いと、感染者数の増殖度に対して過度に検査のキャパシティーが低いと、実効再生産数を誤って低く見積もってしまうリスクがあります。今までもクラスター対策班の中で実施されていた研究の中からそういったことが示唆されるという報告をしている研究者もいるのですけども、その場合できることっていうのは、検討する感染者の重症度を一定のものにすると。今の時点で言うと、例えば両側肺炎というような重症度が比較的高い人に限って、その人たちの増減というのを見ることで、増減を確実に捉えるということが1つできうる手段で。 もう1つが、ありうる、今、現有のデータでできることとしては、受診者数であったり、あるいは発熱に関する相談件数であったりと、感染者数の確定患者数に必ずしも頼らずに、ほかの辺縁的な症候群に基づく、つまり皆さんが症状をどういうものを呈したかということに基づいて集積したデータというのを分析することで推定する実効再生産数というものができますから、そういったものとの大きな齟齬がないということを確認しながら分析をすることで対応できると考えています。 より詳細にやっていく場合には、先ほどのお話にもあった抗体検査も含めて検討していくということが必要になるんですけど、それはすぐに実施可能なものではありませんから、また流行が進展次第に計画をしていく予定でいます。 日本経済新聞:皆さま、ご質問よろしかったでしょうか。特にないようであれば締め切らせていただきますが。ではすいません、長時間ありがとうございました。