「男かと思った」 坊主頭の女性に向けられる好奇の目 「好きでやっているのに変だと言われるのは悲しい」
今SNSで話題の女性、Chiharuさん。映画で見た女性の坊主頭に憧れ、3年前にショートカットから坊主にした。しかし、彼女に注がれたのは「女性がなんで坊主?」という好奇の目。 【映像】Chiharuさんのビフォー&アフター 「“あれ、男の人かな?女の人かな?”みたいな。そういう目で見られるのは気持ち悪い。(日本は)“女はこう、男はこう”みたいな固定概念が強い部分がある。好きでやっているのに、それは変だよと言われるのは悲しい」 あちこちにはびこるルッキズムについて、『ABEMA Prime』で彼女と考えた。 Chiharuさんは坊主にしたきっかけについて、「アニメやゲームで(女性キャラの坊主頭を)見て衝撃を受けて、“私もこうなりたい”と思った。髪の毛があった時は絶望というか、人生が暗い時期だったので、“運命を変えたい。今しかない”と思った」と説明。映画『G.I.ジェーン』の役作りで坊主にした米女優のデミ・ムーアへの憧れもあったという。 坊主にすると「男かと思った」「変だ」「髪は女性の命」「女性なら美しくあるべき」「髪があったほうがかわいいのに」などの声にさらされた。また、女性トイレに入ると驚かれるため、なるべく人がいないタイミングを選ぶことも。 しかし、再び髪の毛を伸ばしたい気持ちは「全くない」という。周囲の声についても、「最初は『なんで坊主?』『よりによって』と言われていたが、自分が好きでしたし、短いのが好きすぎて突き返した」と明かした。
■架空の“履歴書の顔写真”を人事担当者に見せると…現れるバイアス
NPO法人マイフェイス・マイスタイル代表の外川浩子氏は、ルッキズムについて「本当に悩んでいる人が安心安全に生きていく社会の土台ができていない。“あなたのままでいい”“それは個性だから大丈夫”と言われても、(ルッキズムに苦しむ人は)言葉が出ない。それは強い側の意見であって、フェアな感じがしない」との現状認識を示す。 そんな中、「履歴書の顔写真が及ぼす影響」を調査した内容が話題になっている。架空の人物の写真を用意し、メガネ、茶髪、肥満、円形脱毛症などの特徴を加工。それらを貼った履歴書を人事担当者に見せたところ、もっとも低く評価されたのは円形脱毛症の男性、その次が肥満の女性だったのだ。 調査した中京大学講師の矢吹康夫氏は「仕事ができるかできないかとは全く関係がない外見の良し悪しによって、良い評価・悪い評価をしている。不平等な異なる取り扱いをしているという点では、差別になる。そこが問題であり、ルッキズムだ」と指摘している。 SNSでは、見た目の話をするだけでルッキズムだと言われるという声もある。外川氏は「見た目がわかりやすいポイントなのは事実。なので、子どもが同じようにいじることがあるけれども、それをすべてダメだとするのは行き過ぎだ。どうしてそう思うのかをうまく引っ張り出して、“それも多様性だよね”という方向に繋げていければいいと思う」と述べる。 その上で、「“人間は見た目にこだわってしまう生き物なんだ”“そもそもそういう素質を持っているんだ”というスタートラインに立つ。見た目のことをもう1回考えようということだ」と促した。(『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部