東京デフリンピックまで1年、頂点目指し準備本格化…デフサッカー男子代表
品川CCはプロの実力を持つ選手もおり、戦い方を共有しながら攻守を展開している印象だった。僕らも慌てずにゲームを組み立てることを吸収していきたい。次の機会があれば今度は勝てるようになりたい。個人的には、去年のマレーシアで受けたけがから復帰したばかりで、納得できるプレーができていない。先発で出場しチームを引っ張っていけるようになりたい」
世界一目指し前進…吉田匡良監督
「試合は引き分けだったが、この青空の中、応援の皆さんが来てくれて、素晴らしい環境を与えていただき感謝です。
デフリンピックで世界一をとろうと、前進している。今後も世界を目指し積み重ねていきたい。まだやることはたくさんある。ピッチに立つ11人だけでなく、ベンチにいる選手、招集されなかった選手や、未来の選手も、勝負を分けるのに大事だと思っている。今回23人招集したが、大会の本番では交代できる人数が決められている。戦い方をしっかり選手に示していきたい。
デフリンピック・サッカーの会場は福島Jヴィレッジだ。福島で開催することを広く知っていただき、多くのお客さんに来てほしい。時間はあるように見えるが、合宿の日数でいえば、実質1か月しかない。修正すべきところは多く、全身全霊でやっていきたい。選手たちが切磋(せっさ)琢磨(たくま)して強い日本代表にしていきたい」
広報体制の整備が課題【取材後記】
本番まで1年、試合運営には課題も残されているように感じた。例えば出場選手など試合についての取材者用資料がなかったこと。選手名や背番号が分からず、その後も誰が何分に得点したかなどの公式記録も提供がなかった。親善試合ではあるが、日本代表のユニホームを着たゲームであり、注目されていたと思う。デフサッカーについて知識のない観客や記者に理解を深めてもらう工夫がほしかった。
デフリンピックは聴覚障害者が参加する競技大会だが、パラリンピックのようなリハビリ志向はなく、記録を競い、勝ち負けにこだわるという大会理念がある。次世代のアスリートが記録を塗りかえて進むためにも、選手名、過去の戦績などのデータを整備し、客観的に活躍を伝える工夫も求められそうだ。(栗原守)