東京デフリンピックまで1年、頂点目指し準備本格化…デフサッカー男子代表
来年11月15日に東京を主会場として開幕する、耳の聞こえない選手によるスポーツの祭典「デフリンピック」まで、残り約1年となった。10月12日に東京都品川区で行われたデフサッカー男子日本代表と、品川CCとの親善試合の様子と、デフサッカーの男子日本代表の松元卓巳キャプテンらの話を報告する。 【写真】タレントの足立梨花さん(左)らが来年のデフリンピック東京大会をPR
高い技術力、激しいボールの奪い合い
晴天の下、家族や友人らの応援を受けて、双方のチームの選手らは、激しくボールを奪い合った。通常の試合と少し違うのは、主審が旗を持ち、反則の際などに笛と同時に旗を掲げて合図をすること。それ以外はほとんど、テレビなどでみるサッカーの試合と同じだ。
ベンチからの指示が聞こえないため、デフの選手たちはベンチに頻繁に目を向けて、合図を確認したり、選手同士で合図を送り合ったりしてプレーをしていた。試合は1対1の引き分けだったが、品川CCの槙野智章監督は「デフ日本代表の、相手の裏をかく動きや、セカンドボールの回収などに学ぶべきは多かった。我々がフィジカル負けするシーンも多かった」などとデフチームの健闘をたたえた。
数百人の観衆が陽気にそれぞれの選手を応援する中、選手たちの高い技術力に裏打ちされた試合運びは見応えがあった。試合後には、サッカー少年少女らが選手に質問する時間もあり、スポーツを通じた多様な交流が実現していた。
手話による実況や解説を動画配信する試みも行われた。ろう者がインターネット上で観戦する時に力を発揮しそうだ。
来年のデフリンピックのサッカー競技は、福島のJヴィレッジが会場となる。震災からの復興の一翼を担ったイベントとしての期待も大きい。デフ男子日本代表は2023年9~10月にマレーシアで開かれたデフサッカー世界選手権大会で準優勝するなど、金メダルを狙える位置にある。
決定力など課題、1年間で準備を…松元卓巳選手
「新しい選手が活躍し、チームを底上げしたい時なので、来年に向け収穫のあったゲームだった。決定力や守備の力はまだ足りず、今後1年で充実させたい。