ラストパットで消えた3年連続女王 山下美夢有が新クイーン・竹田麗央を称賛「私も頑張らないと…」
<伊藤園レディス 最終日◇10日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6769ヤード・パー72> 唇をかみしめてコースを去る山下美夢有【写真】 最終18番で2メートルのパーパットを外し、3年連続女王の称号が一気に遠ざかった。山下美夢有がトータル11アンダー・4位タイに終わったことで、竹田麗央のメルセデス・ランキング1位が確定した。 首位と3打差の8位からスタートした最終日。「ショットの縦距離が合わないところはあった」ということは感じながらも、16番までに5つのバーディを奪い優勝争いに絡んだ。そんな一日を振り返った時、表情が曇ったのは「特に17番、18番…」という終盤のプレーだった。 まず17番パー3で、ボールがピンの切られた左奥ではなく右サイドに着弾した。ピンのすぐ左が池というプレッシャーはあったが、「逃げすぎました」と悔しさを露わにする。この時点で1打差。攻めるべきところで攻めきれず、14メートルほどのバーディパットを残すことになった。 「近づけたいと思った」。しかしこのバーディパットは2メートルほどオーバーし、大ピンチに変わった。続くパーパットはなんとか沈めたが、悪い連鎖は止まらない。 18番でも残ったのはロングパット。そのファーストパットが2.5メートルほどショートすると、続くパーパットも決まらず痛恨のボギーフィニッシュになった。ここをパーでおさめていれば逆転女王の可能性も残されていただけに、あまりにも悔しい幕切れだった。「今週はパターで苦戦した。ショットがついても決め切れなければ一緒」。そんな言葉を象徴するシーンでもあった。 それでも気持ちは前を向いている。12月には来季米国女子ツアー出場権をかけた最終予選会(5~9日、米アラバマ州)が待っているからだ。「最終予選会も近いし、そこに備えて、いい形で迎えられれば」。日本ツアーの最終戦は3連覇がかかるメジャー大会ということもあり、“消化試合”などひとつもない。 女王を戴冠した竹田麗央については、「飛距離も出るし安定性もある。今季8勝は素晴らしいと思います。後輩が頑張ると、私ももっと頑張らないといけないと思える」と、いい刺激をもらえる存在だと話す。すでに米国行きを決めているライバルと、来年は最高峰の舞台で頂点を争えるよう、しっかりと牙を研いでいく。(文・間宮輝憲)