人種差別が蔓延るスペインサッカー界は、いまこそ時代錯誤の考え方を改めるべきだ【現地発】
「フットボールは社会の鏡」。このクライフの言葉通りの現象が
スペインで社会問題となっている人種差別。その渦中にいるのが、マドリーのヴィニシウス(右)だ。(C)Getty Images
「スタジアムでの侮辱もひとつのカルチャー」。そんな意識が蔓延るスペインサッカー界ではいま、人種差別が大きな社会問題となっている。解決を図るためには、時代錯誤の考え方をアップデートさせなければならない。(文:ヘスス・スアレス/訳:小宮良之 2024年4月18日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック スペイン』を転載) ―――◆―――◆――― スペインサッカー界ではいま、「人種差別」が社会問題となっている。 その渦中にいるのは言うまでもなく、レアル・マドリーのブラジル代表FW、ヴィニシウス・ジュニオールだ。昨年5月のバレンシア戦(22-23シーズンのラ・リーガ35節)で、敵地メスタージャのファンから差別的行為や誹謗中傷を受け、激しく抗議。以来、彼はピッチに立つたび、人種差別の被害を訴え続けている。 「人種差別主義者は、スタジアムではなく監獄へ行
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