「ヤバい、死ぬかも」 エナドリを「1日1リットル」飲んでいた私に起きた”異変”。「心臓を針で一突きすれば、身体全体が破裂する」。そして迎えた”意外な結末”とは?
「ヤバい……。死ぬかもしれない」 ■それでも酒もエナドリもやめられず… さすがに、その心拍数の速さに命の危険を感じた筆者だったが、それでも、酒ともエナドリとも距離を置くことはできなかった。これらを摂取しなければ、吐き気やめまいに襲われてしまうのだ。もはや、飲まなければ、不調から逃れることはできなかった。完全な依存症だ。 ダメだとわかっていながらも、1日に飲むエナドリの本数が2本に。500ミリ缶なので、毎日1リットルを常飲するようになった。
「エナドリを飲むことで、二日酔い気味の身体の血流のめぐりがよくなって、どんどんアルコールも抜けていく気がする……」 当然、エナドリにそんな効果はないのだが、アルコール、ニコチン、カフェインにまみれた身体に通常の方程式は通用しなかった。 二枚重ねの一件以来、エナドリを飲むたびに心拍数は日々、速まっていった。胸を手で押さえる回数も増えた。 しかし、あるときから、いくらエナドリを飲んでも、1時間も経たないうちに激しい吐き気に襲われるようになる。そこで、エナドリを飲まずにすぐさまストロング系に手を出すようになった。
とうとう、カフェインやアルギニンで、どうにかなる身体ではなくなったのである。こうなってしまえば、エナドリは完全にお役御免だ。 こうして、筆者はエナドリを飲むのをやめた。アルコール依存症だったからこそエナドリを飲むようになったはずが、アルコール依存症がより酷くなったことで、エナドリからは解放されたのだ。 まったくもって、ポジティブな理由ではない。しかも、酒も最終的に医者にストップをかけられた。 ■アルコールともエナドリとも袂を分かった
アルコール依存症と診断されてからは、筆者はアルコールを一滴も飲んでいない。 と同時に、エナドリもすっかり飲まなくなった。こちらは医師から止められたわけではないのだが、不思議とまったくおいしく感じなくなったのだ。 冒頭でも書いたが、本稿は「飲み過ぎ」に警鐘を鳴らすものである。決して、エナドリ自体の危険性を訴えるつもりはない。 酒もほどほどに、節度を守って楽しむべきだが、エナドリも飲み過ぎは危険だ。節度を守って楽しむようにしよう。
《前編の記事はこちら:リゲインもほぼ消滅「栄養ドリンク」衰退の背景》 《過去に配信したストロング系の記事はこちら:「ストロング系」毎日10缶飲んでた私に起きた異変》
千駄木 雄大 :編集者/ライター