アヴリル・ラヴィーン、絶対に知っておくべき名曲10選
5~7曲目 アヴリルを象徴する名曲も
5.「Nobody’s Home」(2004年) 前作『Let Go』から一転、よりグランジやオルタナ色を強めたアルバムとなった『Under My Skin』。そのなかでもテーマの重さという点で際立っているのがこの曲だ。どこにも居場所のない少女の苦境を切々と歌い上げるアヴリルの澄んだ歌声と、ヘヴィなサウンドの対比がドラマチックで美しい。作曲にエヴァネッセンスの元ギタリスト、ベン・ムーディーが入っているのも納得だ。2024年に入ってから「自分の幼少期のトラウマをシェアする」というミーム用のBGMとしてTikTokで局地的にバズを巻き起こしたのは、この曲で描かれる苦しみが時代を越え、生々しくリスナーに迫る力を持っているからだろう。アヴリルの新境地を示した作品だ。 6.「Girlfriend」(2007年) 初の全米1位を獲得し、それまでのイメージをがらりと一変させたモンスター・ヒット曲。極限までキャッチーに突き抜けたコーラスは、一度聞けば絶対に耳から離れないことうけあいだ。アヴリルといえば!な、ピンクとブラックのヴィヴィッドなビジュアルもここで固まった。本人は「ねえ、あなたのガールフレンドが大嫌い! / ありえないよ、新しい相手が必要なんじゃない?」というフックについて一種の冗談のつもりで書いたと語っているが、結果的にそれは新たな代表曲となった。サウンド自体は前作より直球なポップ・パンクとなっており、ハッピーなムードに振り切りつつ抑えるべきところを抑えるアヴリルのバランス感覚の良さが感じられる。 7.「What The Hell」(2011年) ブリトニー・スピアーズやテイラー・スウィフトなどとの仕事でおなじみ、マックス・マーティン&シェルバックをプロデューサーに迎えた底抜けに明るいポップ・ロック・チューン。収録アルバム『Goodbye Lullaby』には人生の痛みを見つめた内省的でメランコリックな曲が数多く揃っているが、それと好対照をなすようにシングルにはキャッチーな曲が選ばれることとなった。全てを振り切るように「どうだっていい!」と叫ぶアヴリルの歌声とポップなメロディには、思わずウキウキした気持ちにさせられるはず。たゆみなく自由を求め続けるアヴリルの、パワフルで前向きな側面を強く感じることができる曲だ。