髙橋藍はSVリーグ序盤戦をどう戦ってきたか 「チームのなかで信頼してもらうには...」
【試合を重ねるなかでコンディションは上がり...】 開幕戦で髙橋は真価を見せることができていない。人一倍の負けず嫌いだけに、苛立ちも見えた。自らが「苦し紛れのスパイクが多かった」と悔しさを滲ませたように、代表の盟友である西田有志の後塵を拝した。 「常に髙橋藍選手を狙っていました」 試合後に西田は語り、こう続けていた。 「髙橋選手をどう崩すか、を考えていました。(アウト)サイド(ヒッター)が重なった時のローテの時とか......意図としては、パイプ(攻撃)をなくすことで。常に(髙橋が)いい状態で入れないようにして、ディフェンス対応させることで(攻撃オプションを)ひとつずつ削っていく。(3セット目)最後の1点で決着がついた時も、ゾーン1の髙橋選手をサーブで狙い、最後は決まりました」 髙橋は、ライバルから一番警戒されていた。それは大望を抱くスター選手には避けられない宿命かもしれない。しかしコンディションの悪さは如何ともし難く、巨大なストレスだったはずだ。 王者サントリーの調子も思ったように上がらなかった。 11月、東京グレートベアーズとの初戦に敗れた後、髙橋は3試合を欠場している。足首の状態のケアも報じられたが、立て直す猶予が必要だった。それが広島サンダーズ戦で復帰し、ジェイテクトSTINGS愛知、日本製鉄堺ブレイザーズと戦いを重ねるなか、少しずつコンディションを上げてきた。 「(復調の理由の)一番は、足首の状態がよくなってきたことにあると思います。今は体のキレも出て、ジャンプで足も踏み込めるようになって、(スパイクの)入りのよさにもつながって、威力も増している感じです。これまで、かなりストレスだったので」 ブレイザーズ戦で縦横無尽の活躍だった髙橋は、表情が気力に満ちていた。心身が充実し、セッターの大宅とのコンビも深まりつつある。 「(スパイクで)大事なのは(ジャンプとトスの)スピードが合うか、合わないか。空中でボールを待っていることもあったので、早く入りすぎなのか、トスが遅いのか。そこは本数を重ねながら、お互いが要求し合い、テンポを調整してきました。(セッターの大宅選手と)ふたりでプレー動画を見返し、"もう少し早く""もう少し(球足)を延ばして"、と詰めながら」
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