【解説】日本で女性が組織で“活躍”できないこれだけの理由――経済界に聞いてみた
日テレNEWS NNN
「NEWSイチから解説」。 「来年は、より多くの女性リーダーに会えることを期待します」。 岸田首相は7月、経団連(経済団体連合会)の会合に出席した際、このように発言しました。経団連主要メンバーに女性が少ないことを皮肉ったものです。 なぜ日本では女性リーダーが少ないのか?経済界から本音を引き出し解説します。(解説委員・安藤佐和子)
■男女差あるのか? いつから?リーダーシップの力
「学生時代を振り返って、リーダーシップで男女の差はあった?」。 後輩の男性記者(33)に聞くと「断然女子の方がリーダーシップありましたね」と返ってきました。 入社1年目の住岡佑樹アナウンサー(動画に登場)も「文化祭でも合唱コンクールでも男女差は感じませんでした」。それなのに不思議なのはこちらです。
世界経済フォーラムが発表している「ジェンダー平等指数」。日本は146か国中125位。先進7か国のひとつの日本なのに、ジェンダー平等では10位でも20位でも、50位ですらもなく、125位。下位15%に位置するという、圧倒的に男女不平等な状況になっています。 何をもって125位なのか?内訳を見てみると、男女差の大きい主なものは…。 ・賃金 ・国会議員や大臣の割合 ・企業などの経営者、管理職の割合 政治や経済の分野で、責任ある立場にいる女性が少ないということです。
■政府も不合格だが…岸田首相が経団連に“チクリ”
こうした状況の中、先月、経団連の主要メンバー40人ほどが集まる「夏季フォーラム」が軽井沢で開かれ、駆けつけた岸田首相は、以下のように発言しました。 〇岸田文雄首相 「プライム市場上場企業が2030年までに女性役員比率を30%以上にすること、こうした大胆な目標を掲げました」 そしてこう続けました。 「来年もしこの場にもう1度お呼びいただけることがあったとしたならば、さらにより多くの女性リーダーにお会いできますことを期待しております」。 つまり、この時、首相の目の前にいた経団連主要メンバーたちはほぼ男性で、首相は「女性が少ないですね」「来年はもっと増やしてくださいね」とチクリと指摘したわけです。