なぜ記者会見で「炎上する記者」がいるのか?取材する側が決して「忘れてはいけないこと」
---------- 商談や打ち合わせなどの大事な場面では、ときには厳しい質問やツッコミをすることも必要だ。そのときに大事なのは「そこに愛があるかどうか」だと、初の著書『「ここだけの話」を聞く技術』を出版したラーメンライターの井手隊長さんは語る。いったいなぜ、それほど「愛」が大事なのか? 井手さんにくわしく教えてもらった。 ---------- 【写真】新聞、まもなく消滅へ…読売、朝日を辞めた記者が明かす「マスコミの内情」
相手に対する「愛」や「熱」があるか?
芸能関係などの記者会見で、記者の質問が「やりすぎ」「心がない」「失礼だ」としてSNS上で炎上することがよくあります。 しかし、記者であれば、時に厳しい質問やツッコミを入れなければいけないシーンも出てくるでしょう。記者は厳しい質問やツッコミをしてはいけないのでしょうか? 記事を書く際に、当たり障りのない情報だけで原稿を構成するのは違うと思います。 よいニュースにせよ、悪いニュースにせよ、そのネタにどう深く切り込めるかが、記者やインタビュアーとしての力量ではないでしょうか。 ただし、ひとつ気をつけなければならないことがあります。 それは、そこに「愛」があるのか、ということです。 愛というと、体がむず痒くなるような感覚になるかもしれませんが、取材する相手に対する愛や熱はとても大事だと実感しています。
「愛」の対象は自分ではなく相手に向ける
人によっては、自分の書く記事自体や、取材している自分自身への愛が強く、肝心の取材する相手のことをまったく考えずに、ズケズケと厳しい質問やツッコミを入れている例も多く見受けられます。 そういう記者の行動が、炎上につながってしまうのです。 「愛」の対象は自分ではなく、相手です。 それを忘れずに意識しましょう。 たとえば、閉店してしまうお店の店主に対して、一度も店にラーメンを食べに来ていない記者が「なぜお客が来なくなったんだと思いますか?」とストレートに聞くと、とても失礼に感じます。 しかし、もともとそのお店のラーメンが好きだった記者が、こう聞いたらいかがでしょうか。 「あんなに美味しいラーメンを出していたのに、閉店になってしまうのは本当に残念です。なぜこうなってしまったのか、理由を教えてください」