行楽シーズン“うんざり渋滞”を回避するキーワード「分散」「キープ」
車線キープが結果的に早く渋滞を回避
渋滞が発生しないように、あるいは悪化しないように、ドライバーとしてもできることがある。そのためには「3つのキープ」が大事だという。キープするのは「スピード」「車線」、そして「車間距離」だ。 スピードについては、渋滞発生理由のところで触れたように、減速やブレーキが渋滞の大敵だということを考えれば、速度をキープすることの重要さが分かるだろう。 車線と車間距離については、あまりピンと来ないかもしれないが、例えば、渋滞にはまり込んでしまった場合、どうしても追い越し車線に入って、少しでも渋滞から早く抜け出そうとしがちだ。しかし、これが渋滞をさらに大きくする原因になる可能性があるのだという。渋滞時に車線変更する際、追い越し車線の車列に割り込む形になるので、その後続車がブレーキを踏んで速度を落とす局面が発生するからだ。山本氏は、車線をキープすることは渋滞を長期化させないだけではなく、「結果的に渋滞を早く抜けられると考えられている」と指摘する。 車間距離についてはどうだろう。車間が十分にキープされていれば、もし前の車がブレーキを踏んだとしても、その隙間で速度差を吸収してくれるため、自分はブレーキを踏まないで済む。渋滞発生や悪化を予防できるというわけだ。 それだけではない。車線のキープは事故防止にもなるという。中日本高速道路の資料によると、3車線の高速道路での渋滞中の事故発生率は、走行車線がそれぞれ2割ずつなのに対して、追い越し車線ではなんと6割。山本氏は「事故を避ける意味でも渋滞中の車線変更は避けた方が安全」だと勧める。
渋滞しない日はないが「時間帯」はある
では渋滞を回避するためにはどうしたらいいのだろうか。 ぱっと思いつくのは、一般道などの迂回路をたどるか、予測される渋滞ピークの時間帯を避けて高速道路を利用するか、だろう。 山本氏は「連休期間中の東名・新東名で渋滞しない日はほぼないが、渋滞しない『時間帯』はある。その時間帯を利用して出発してもらえれば、年末年始やお盆でも快適に走行できる」と呼びかける。つまり、渋滞ピーク時の「交通量の分散化」だ。毎年、渋滞する日や場所は大きく動かない。だから「自分から動いて回避する」という発想だ。