国鉄の整備工場をリノベした「モーターワールド」が凄すぎた! 幻のアバルト「T140」も集まったドイツの新旧イタリア車のイベントに潜入!【みどり独乙通信】
気分はイタリア! 陽気な音楽に気さくな人々
会場では、とくに旧車のオーナーさんはイタリア風のファッションに身を包んでおられる方を数多く見かけました。ミュンヘンにお住まいのイタリア人でしょうか、会場ではイタリア語をあちらこちらで耳にし、ミュンヘンにいながら気分はイタリアです。モーターワールドの館内では「オー・ソレ・ミオ」や「フニクリ・フニクラ」(日本では鬼の穿いているパンツで有名ですね!)が流れる中、ゆる~い雰囲気でオーナーや見学者がイタリア車やイタリアにいるような雰囲気を楽しみました。 イタリア車のオーナーらは、モーターワールドの建物内でのパレードランが可能とあり、愛車を駆って会場を沸かせました。友達同士で誘い合って来た中高生らしき少年少女たち、いまでこそ旧車となってしまいましたが、当時は最新モデルだった愛車で青春を過ごしたであろうシニアまで、幅広い年齢層の方々が集いました。他人同士でも「ステキなおクルマですね」から会話が始まり、「ステキな1日を!」と言葉を交わして笑顔でお別れする、このヨーロッパのなごやかな雰囲気が大好きです。 現在も会社組織としては残っているようですが、かつてフィアットグループがNSUとともにファクトリーを稼働し、1931年から1973年までドイツのネッカースウルムやハイルブロンの工場でフィアット「522」をはじめ、「トッポリーノ」など数多くのモデルが製造されたそうですが、もしかするとこの会場にいらっしゃった方で、最後の1970年代初頭にそれに携わっていらっしゃった方もご来場なさっていたのかも知れませんね。
世界に1台!? 幻のマシンの超貴重なレプリカに釘付け
私が一番気になった車両はアバルト「T140」でしょうか。6L V12エンジンのとんでもないエキゾーストノートを轟かせていました。1967年に開発が始まったT140は、ル・マン24時間レースを目指すも、その年のル・マンの後に排気量のレギュレーションの改正が行われ、この6Lエンジンでは参戦ができなくなったことが明確になり、プロジェクトは打ち切りに。展示されたT140は、決して世に出ることのなかった幻のマシンをバイエルン州在住の方がすべて忠実に手作業で再現したレプリカだそう。レプリカとはいえ、世界にたった1台しかない超貴重なマシンです。 会場を見渡す限り、一番数が多かったのは新旧の500やアバルトですが、最近のフェラーリやランボルギーニもちらほら。珍しいクルマを撮ろうとカメラを持って待ち構える方たちが、近隣の道路にずらっと並んでおられました。小さな少年が「ディアブロだ!」とコーフンして追いかけていくシーンはなかなか可愛らしく、まるで昭和のスーパーカーブームのようでした。イベントの時間中、会場の端にはミュンヘン警察のパトカーが1台待機していましたが、イタリアマフィアの抗争を想定していたのでしょうか?(笑)
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