【女性のお悩み】笑ったりくしゃみをしたりすると「尿漏れ」が… 原因・対処法を女医が解説!
尿失禁の治療法
編集部: 尿失禁には、どのような治療法がありますか? 叶谷先生: 基本的には、どちらのタイプの尿失禁も、生活指導と骨盤底筋訓練がメインです。それらに加えて、腹圧性尿失禁の場合はレーザー治療や磁気治療、手術などが検討されます。切迫性尿失禁であれば、薬物療法が選択されます。 編集部: 失禁で受診するのは少しためらってしまいます……。 叶谷先生: お気持ちはよくわかります。尿失禁が気になる女性は、「女性泌尿器科」などの女性に特化した泌尿器科を探してみると安心かもしれません。周りの患者さんも当然ながら女性ですし、医師やスタッフも女性であることが多いはずです。また、妊娠中の尿失禁が気になるのであれば、産科と併設されている泌尿器科に相談すると連携が取りやすくなるためおすすめです。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 叶谷先生: 尿失禁は「自分だけが悩んでいる」と思いがちですが、じつは多くの人が悩んでいる症状です。特に妊娠・出産に伴う尿失禁は、ほぼ全ての女性が経験すると言っても過言ではありません。尿失禁は早めの治療介入がポイントであり、治療開始が遅れると治療の選択肢が狭まってしまったり、生活指導や骨盤底筋訓練、治療などの効果が出るのに時間がかかったりしてしまいます。女性専門の泌尿器科も増えているので、早めの相談をおすすめします。
編集部まとめ
尿漏れが起こるという問題に悩む女性はとても多く、自分でできる改善策や病院での治療が大切とのことでした。具体的には、減量や禁煙、飲水制限、カフェインやアルコール摂取を控える、便秘の解消など日常生活の改善や、骨盤底筋を強化するための運動が効果的です。それでも気になるようであれば、薬物治療という選択肢もあります。症状に悩んでいる場合、決して1人で抱え込まず、医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。
監修医師:
叶谷 愛弓 先生(レディースクリニックなみなみ) 東京女子医科大学医学部卒業。東京大学大学院医学系研究科修了。東京大学医学部産科婦人科学教室入局、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東京大学医学部附属病院など、複数の病院で勤務医として経験を積む。2024年、東京都目黒区に「レディースクリニックなみなみ」を開院。医学博士。日本産科婦人科学会専門医。日本周産期・新生児医学会、日本女性医学学会、日本人類遺伝学会、日本産科婦人科遺伝診療学会の各会員。