「小中高大と不登校も」好きを仕事にした倉持由香 障害児育児の奮闘で見つけた「次の目標」
長男・湊くんの自閉スペクトラム症を公表した倉持由香さん。障害児育児で「好きな仕事が続けられなくなるかも」と思ったこともあったそうですが── 。(全3回中の3回) 【写真】「着物がお似合いですね」自閉スペクトラム症の長男・湊くんの七五三ショット(全13枚)
■凹をならそうとするより、凸を伸ばしていく ── 湊くんの育児で心がけていらっしゃることはありますか。 倉持さん:私も夫(プロゲーマーのふ~どさん)も好きなことをして生きているので、息子の湊にも好きなことを見つけてほしいと思っています。言葉が出なくても「これが好き」というものは、キラキラした目で見つめているからわかるんですよね。公園でアリを見つけたときとか、虫の図鑑を見ているときとか。今は虫や生き物に興味があるみたいです。
定型発達の子でも多少の凸凹はあって、努力して凹を埋めていると思うんです。湊もそうですけど私と夫も凸凹が激しくて、好きなことは頑張れるんですが苦手なことは頑張れない。どっちも苦手な事務作業はふたりで押しつけあっています。だいたい私がやりますが(笑)。 私は子どものころから、毎日同じ時間に同じ場所へ通うことができなくて、小学校5年生くらいから小・中・高・大と不登校でした。勉強も、好きな科目は満点近く取れるけど、興味のない科目は全然頭に入らなくて、センター模試で6点…と、できることとできないことの差が大きくて。ときどき「グラビアなんてやって、親は泣いているぞ」などと言われることがあるんですが、不登校で引きこもっていた時代にたくさん心配をかけてきたから、泣くどころか私が外に出て好きな仕事をして収入を得ていることを両親は喜んでいます!(笑)『週刊プレイボーイ』の表紙になったときも嬉しそうに「コンビニに並んでたよ、おめでとう」と報告してくれましたね。
だから湊のことも、何とかして凹を平らにならそうとするよりも、得意な凸をどんどん伸ばしていくのがいいんじゃないかと思っています。
■好きな仕事をするために、苦手なことは便利なサービスに頼って ── たしかに、好きなことは支えになりますよね。 倉持さん:私は仕事が好きで20年間打ち込んできたので、湊が自閉スペクトラム症と診断されたとき、「仕事ができなくなるかもしれない」と思うとつらかったです。 もちろん仕事を辞めることを選ぶ方も、辞めざるを得ない方もいらっしゃると思うんですけど。私は仕事をして稼いで、苦手なことはお金を払って便利なサービスに頼るほうが自分に合っていると思います。だから今、夫の実家や事務所やマネージャーさんの協力のおかげもあって、仕事を続けさせてもらえてありがたいです。