“VMware買収”が契機となり大転換 2025年は「再仮想化/脱仮想化」の年に
ガートナーは、日本企業が2025年に向けて押さえておくべき「インフラストラクチャとオペレーション (I&O)」のトップ・トレンドを発表した。
ガートナーは、2024年12月5日、日本企業が2025年に向けて押さえておくべき「インフラストラクチャとオペレーション (I&O、インフラ運用)」のトップ・トレンドを発表した。 同社がI&Oに大きな影響をおよぼすものとして紹介するのは、以下の6つのトレンドだ。VMware by Broadcomの動きを契機とする「再仮想化/脱仮想化」も、トレンドのひとつとして挙げられた。 トレンド1:再仮想化/脱仮想化 特定のベンダーベースのソリューションにおけるライセンス変更により、多くのI&Oチームが仮想化を再評価せざるを得なくなっている。これには、ハイパーバイザーの変更だけではなく、パブリック・クラウドや分散クラウド、プライベート・クラウドなど、複数の選択肢が含まれるという。 ガートナーのバイス プレジデント アナリストのフィリップ ドーソン(Philip Dawson)氏は、「仮想化の実装状況と再仮想化の相互依存関係を棚卸する必要があります。最適な選択肢をサポートするために、どのようなI&Oスキルを向上させるべきかを明らかにすることが重要です」と述べている。 トレンド2:セキュリティ行動/文化促進プログラム サイバー攻撃の高度化と多様化が進む中、セキュリティの効果を高めるためには、行動や文化も変える必要があるという。「セキュリティ行動/文化促進プログラム(SBCP:Security Behavior and Culture Programs」は、従業員に起因するインシデントを最小限に抑えるための全社的アプローチであり、従業員のセキュリティをコントロールして、危険な行動を抑えることができる。 トレンド3:サイバーストレージ サイバーストレージは、複数のストレージ・ロケーションにまたがって断片化、分散化されたデータを安全に保管するソリューションだ。この断片化されたデータは、必要なときにすぐに組み立てなおして使用できる。 同ソリューションは、「さまざまな機能を備えた専用ソリューション」「統合ソリューションを提供するプラットフォーム上のサービス」または「ストレージベンダー製品のサイバーセキュリティ強化に向けたスタンドアロン製品群」のいずれかの形態として提供されるという。 トレンド4:液体冷却インフラストラクチャー 液体冷却インフラストラクチャーは、リアドア熱交換や液浸、ダイレクト・ツー・チップ (Direct-to-chip) で構成される。 ドーソン氏は、「液体冷却は、より広範なデータセンター環境の冷却から、インフラストラクチャに近い場所での冷却、さらにはインフラストラクチャ内での冷却へと進化しています。液体冷却インフラストラクチャは、ユースケースの観点では現在はニッチな存在にとどまっていますが、次世代のGPU/CPUの消費電力と発熱量が増加するにつれて、より一般的になるでしょう」と述べている。 トレンド5:インテリジェント・アプリケーション 生成AIは、アプリケーションをインテリジェントにする可能性をもたらす。インテリジェント・アプリケーションは、ユーザーの状況や意向に適応し、デジタル・フリクション (デジタル化に伴う摩擦や手間) を軽減することができるという。 最終的に、インテリジェント・アプリケーションは、I&Oチームの介入やインタラクションを減少させる。また、リソースのオーバーヘッドを削減しながら、プロセスと利用方法を最適化して、アプリケーション・ポートフォリオを合理化するという。 トレンド6:最適なインフラストラクチャー I&Oチームが、特定のユースケースにおいて、最適なインフラストラクチャーと導入形態を重視するアプローチを意味する。このアプローチでは、経営幹部がインフラストラクチャーの選択理由を理解できるように、ビジネス目標と一致させるとに重きが置かれる。 文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp