【高校駅伝予選】男子は鹿児島工高が初V! 公立校としては56年ぶりの県制覇「都大路では公立校でも頑張れると爪痕残す」
全国高校駅伝の鹿児島県予選が11月2日、指宿市営陸上競技場を発着するコースで行われ、女子(5区間21.0975km)は神村学園高が1時間10分28秒で9連覇を達成。男子(7区間42.195km)は鹿児島工高が2時間10分24秒で初優勝し、公立校としては1968年の出水工高以来、56年ぶりの県制覇となった。
1区の1年生、米永が区間賞で勢いづける
台風から変わった温帯低気圧の影響で、強風雨に見舞われた鹿児島県高校駅伝。男子レースの衝撃的な展開は、1区から始まった。 佐賀国スポ5000mで4位に入った櫨元優馬(鹿児島城西高3年)が5000mの持ちタイムでは13分52秒05と優位に立っていた。1区のレースが動いたのは8kmを過ぎてから。鹿児島工高1年生の米永侑悟が下り坂を利用してスパートをかける。「長い距離で力を発揮できる選手」と立迫俊徳先生が自信を持って1区に起用した米永が、そのまま櫨元を振り切って区間賞を獲得した。 2区は鹿児島城西高の林川維伸(1年)が逆転して区間賞を獲得。しかし4区の東隆成(鹿児島工高3年)が再び首位に立ち、以降は鹿児島工高が3年生の継走で先頭を譲らず、同校初の県駅伝制覇となった。 鹿児島工高の立迫監督は、鹿児島女高で指導をしていた2015年、女子19連覇中だった神村学園高の牙城を崩して、同校を県初制覇に導いた。昨年のU20アジア選手権800mで金メダルを獲得した立迫大徳(鹿児島城西高→早大)を息子に持ち、鹿児島工高は就任2年目となる。 立迫先生が鹿児島工高に就いてから「速い動きでスピードを上げる」ために、それまで3分ほどだった1000mインターバル走の設定(目標)タイムを2分40秒切りまで上げ、駅伝メンバー全員が5000mを14分台で走れるように強化してきたという。 その成果が今秋あたりから実り始め、1区の米永は10月の全九州新人5000mで九州内の留学生を抑え、14分13秒82で初優勝した。「全九州新人で勝てたことが自信になった」と米永も話しており、立迫先生も「やってきた練習が間違っていなかった」と今大会に自信を持って臨んでいた。 実に56年ぶりの公立校優勝に「都大路では公立でも頑張れるということを見せられるよう、爪痕を残したいですね」と、立迫先生が監督として2度目の都大路に目を向けた。
鹿児島工業高
優勝 2時間10分24秒 1区 米永 侑悟(1年)区間賞 2区 本門 望来(1年)区間4位 3区 柳田 貫瑛(2年)区間賞 4区 東 隆成(3年)区間賞 5区 牛原 幸英(3年)区間3位 6区 橋口 晋賀(3年)区間賞 7区 桑野 康星(3年)区間2位
陸上競技マガジン編集部