愛知・田原市が推進する「サーフタウン構想」 サーフィンに特化した希少特化型の街づくりで人口増加・地域創生を目指す
渥美半島の先端に位置する愛知県田原市は、世界大会も行われるほど日本有数のサーフスポット。その田原市が推進しているのが、サーフィン愛好家の移住・定住に特化した街づくり「田原市サーフタウン構想」です。 この取り組みは、1年を通じて国内外から多くのサーファーが訪れる地域特性を生かし、市内の赤羽根地域を中心に、サーファーをはじめとする若者世代の移住のための施策を推し進めるもの。「交流人口拡大」「定住・移住促進」「拠点整備/魅力・住み良さの向上」の3つを柱とし、海の魅力を生かして観光客を増やし、地域活性化による経済効果を高めつつ、最終的に移住・定住につなげることを目標としています。
「田原市サーフタウン構想」が持ち上がったのは2016年。人口問題に直面したことが始まりでした。田原市が公開している統計データによると、緩やかに増加していた市の人口は、2005年の6万6390人をピークに減少に転じ、2024年5月31日時点で5万8534人となっています。国立社会保障・人口問題研究所の調査でも、2040年には5万885人まで減少するとみられているといいます。 人口減少の原因について市の担当者は、多くの地方自治体と同様に出生率低下や未婚率上昇などが影響していることに加え、市内に大学がないことから若年層が進学や就職で市外に流出してしまうことも問題になっていると話します。 こうした状況を打開するため、2016年にサーフタウン基本構想図を作成。地域住民の声や宅地開発調査などを踏まえた検討が進められ、戦略プランが取りまとめられました。
2024年からは、サーフスポットまで徒歩5分の場所に集合住宅を作り、販売を開始。第1期として、全25区画中3区画を販売したところ、すべて成約済みとなり、7月1日からは第2期の販売をスタートしています。 市は、人口増加に寄与するさまざまなハード・ソフト施策を積極的に進め、2040年までには人口を6万人以上にすることを目指すということです。