米ゴルフメディアが2024年の“不可解裁定”に畑岡奈紗の一件を選出 プロとしてお手本となる事後の潔い態度
重大な違反が修正されなかったため“翌日失格”に
米ゴルフメディア「Golf.com」が年末の特集として、「2024年、私たちが目撃した11の奇妙なルールの事件簿。そして、そこから学べること」という記事を掲載。そのなかで6月のアメリカ女子ツアー競技「ショップライトLPGAクラシック」で起きた畑岡奈紗の“翌日失格”の件がピックアップされています。当時、日本でも大きな話題になったこの一件を振り返ってみましょう。 【写真】畑岡奈紗が臼井麗香・山路晶らと“恩師”のもとへ… これが「黄金世代」メンバーの貴重な集合写真です
大会初日、畑岡は最終9番パー5で第2打をフェスキューの深いラフのなかに打ち込んでしまいます。選手、キャディーはもちろん、競技関係者やラウンドに同行していた日本のメディア、そしてギャラリーも加わって大捜索。なんとかボールは見つかったのですが、畑岡は“あるがまま”ではストロークできないと判断。1罰打のアンプレヤブルの救済を選択し、そのホールを4オン1パットのバーで終え、競技を終了しました。 ところが、翌日のスタート前。前日現場にいたアメリカのテレビ中継局のリポーターが「畑岡のボール捜索の時間はルール(規則18.2a(1))で定められた3分を超過していた」とツアー側に指摘。ツアー側が映像で確認した結果、ボールが発見されたのは捜索し始めてから3分25秒後だったと判断。そのため、畑岡には「誤所からのプレー」があり、それがルール上の「重大な違反」に当たることから「失格」とされたのです。 「失格」とされる理由は次のとおりです。 畑岡のボールは、彼女(もしくは彼女のキャディー)が捜索し始めてから3分経過した時点で、ルール上は「紛失球」になっていました。この場合、正しくは1罰打で第2打地点に戻って打ち直し(第4打)をしなければなりません。ところが、彼女はそれを行わず、見つかった箇所の近くで「アンプレヤブル」としてプレーを続行していました。その箇所は、正しく処置すべき地点からは100ヤード以上も前方になるため、「重大な違反」(規則14.7b(1))に該当。その場合、プレーヤーは次のホールでストロークを行う前(最終ホールではスコアを提出する前)に、誤りを修正しなければなりません。もしそれを行わなかったときは、「失格」とされるのです。 しかし、畑岡のケースでは、捜索時間の超過を指摘したのは競技委員でも同伴競技者でもなく、外部の人間であったこと。しかも、違反を修正することが不可能な翌日に、たまたま撮影されていた映像によって確認されたことなど、畑岡には納得のいかない裁定であろうと、直後から物議を醸していました。