ホンダ・日産・三菱連合、もし「フォルクスワーゲン」と経営統合すれば世界1位になる! 少し真面目に考えてみた
統合が生む次世代基準
賛否があるなかで忘れてはならないのは、これらの課題を乗り越えた先にある統合メリットの大きさだ。シナジー効果はこれまでにない規模になる可能性が高い。各社の持つ英知を結集できれば、EV市場で圧倒的な台数を武器に市場を席巻することも難しくないだろう。 フォルクスワーゲンの北米や欧州での強みと、ホンダ・日産のアジアでの強みをうまく活かせば、グローバル市場でのシェア拡大が一層進むはずだ。また、EV技術の強化という面でも、各社の技術を組み合わせることで、コスト削減や開発スピードの向上が期待できる。さらに、自動運転技術についても、ホンダのセンサー技術とAI、日産のプロパイロット、フォルクスワーゲンの自動運転ソフトウェアを融合させれば、次世代モビリティの新しいスタンダードを築くことも可能だ。 経営統合後に取り組むべき重要な課題として、以下が挙げられる。 ●ブランドイメージの統一と活用 各ブランドをどうポジショニングするか、ブランド間の競合を避けながらシナジー効果を最大化する戦略が求められる。地域ごとの戦略も絡むため、難しい選択を迫られる場面も出てくるだろう。 ●既存の提携関係の整理 各社はそれぞれ複数の提携関係を持っている。例えば、日産とルノー、三菱、ホンダとGM、ソニー、フォルクスワーゲンとフォード、リヴィアン、シャオペンといった提携だ。これらをどう調整するかが重要になる。 ●統合プロセスの迅速化 統合プロセスが長引けば、競合に遅れを取るリスクが高まる。迅速な統合と明確なロードマップの策定が不可欠だ。 統合後のロードマップでは、ブランド間のポジショニングを明確にし、各地域での市場戦略を再定義することが重要だ。EV市場では、VWのMEBプラットフォームを基軸としたグローバル展開を早急に進めるべきだろう。
未来を築くホンダ・日産・三菱
ホンダ、日産、三菱がフォルクスワーゲンと統合するというアイデアは、大胆で挑戦的なものだ。しかし、統合によるシナジー効果を最大限に活用すれば、日本の自動車業界が再び世界をリードする可能性を持つ。 日本の自動車業界にとっては、まさに貴重な機会であり、EVや自動運転技術の分野で新たなイノベーションをけん引する存在となるだろう。 歴史的な転換点を迎えるなかで、ホンダ、日産、三菱の3社がどのような未来を築いていくのか。今後の動向を見守りたい。
三國朋樹(モータージャーナリスト)