旧正月に向け、寺への参拝をオンラインで行う人たち タイ
旧正月(春節)が迫る中、タイでは祈りのために中国仏教の寺院にオンラインで金を納めることができる。 首都バンコクにある中国仏教の寺院「ワット・マンコン・カマラワート」には、春節に向けて幸運と厄除けを願って人々が訪れる。 そんな同寺院ではLINE(ライン)アカウントを通じての支払いが可能だ。 オンラインでの支払いは新型コロナウィルスのパンデミック時に広まり、寺院の過密防止対策として実施されたという。 中国文化・宗教学者であるセッタポン・ジョンサングアン氏によると、中国には儒教、道教、仏教、その他幸運や自然、神、精霊、祖先への崇拝を含む民間信仰など、複数の信仰体系があるという。 同氏は、「昔は、個人の干支が『相性の悪い』年と重なると不安になり、占い師などにアドバイスを求めたものです。しかしここ30年ほどの間に、新しい傾向として、人々は神社や寺を訪れ自分で厄除けをするようになりました」と話した。 タイで厄除けは「カエ・チョン」と呼ばれており、信者は自分の名前と生年月日を紙に書き、それを寺院が旧暦での1年間保管する。 オンラインのカエ・チョン・システムの開発者の一人であるモラコド・リアントン氏によると、利用者の大半はタイの寺院の信者であるという。 同氏は、「利用者はウェブサイトやラインのアカウントにアクセスして、寺を訪れた疑似体験ができます。名前と生年月日を記入し、紙に書く行為をシミュレーションし、二次元コードを通して寺院に寄付ができます」と話した。 支払いが確認されると、スタッフが顧客の個人情報が記載された紙を撮影し、寺院で保管する。 地元の人々には、幸運を呼ぶ携帯電話の壁紙もプレゼントされるという。 リアントン氏によると、オンラインサービスはその利便性から好評だという。同氏は、「祭りの期間中、寺院は混雑するため、集中力を要する儀式を執り行うのが難しいことがあります。このシステムを使えば、利用者は寺院まで足を運ぶ必要がなく、いつでも、どこでも、さらには家族や親戚の代理で儀式を行うことができます」と話した。 (タイ、バンコク、2月1日、映像:Viral Press/アフロ)