「京急」と「京成」の関東私鉄2社に照準定めた旧村上ファンド系の思惑 2006年の「阪急・阪神合併」の再現なるか
旧村上ファンド系がほかのファンドと共闘するケースはほぼないが、今回に限っては「パリサーとの連携も考えられる」(別の市場関係者)。 京成は10月に、ともに千葉県に本社を構えるイオンと資本業務提携をすると発表した。イオンの出資比率は2.3%程度となる。 アクティビストに対するホワイトナイトのようにも映るが、「この資本提携とパリサーの件とは関係がない」(京成電鉄の広報担当者)。あくまで、「新津田沼駅周辺の再整備を共同で行うなど、街づくりの面などで長期的な関係を築いていく」(同)とする。
市場関係者も「イオンはただの『ご近所さん』。有利子負債が多く、今後の金利高局面で利息支払い負担も増えてくるだろうから、ホワイトナイトに躍り出ることはない」と喝破する。 2006年以来となる鉄道業界のビッグバンにつながるのか。それとも京急と京成は冷静に対応し、切り抜けるのか。波乱含みの様相だ。
梅咲 恵司 :東洋経済 記者