適応力と内角攻め。なぜ侍ジャパンは5勝1敗でMLB軍団に圧勝できたのか?
そして最大の勝利の理由がチームの結束力である。 「勝つために戦う」。勝利優先主義を徹底した。前述したが、若手とベテランの融合をはかるため、大会前に稲葉監督は、秋山と菊池をリーダーに任命。「任して下さい」と胸を叩いた2人は、見事にチームのベクトルを束ねた。 大会終了後、稲葉監督は最後のミーティングでこんな話をしたという。 「疲れている中、ジャパンのため野球界のため、プレーしてくれてありがとう。子供たちがジャパンを見ているし、こういう試合を見て野球を始めるきっかけになってくれればいい。あなたたちが目標になっていることを忘れないで欲しい。頭の片隅にジャパンを思いながら、これからもプレーして下さい」 次なる勝負は来年秋のプレミア12。その半年後には、いよいよ東京五輪である。プレミア12は、侍ジャパンにとってみれば、プレ五輪の意味合いがあり、ここで選んだメンバーが「東京五輪の参考になっていく」と稲葉監督も言う。 悲願の金メダル獲得へ視界良しーー。 東京五輪での日本のメダル獲得の可能性についてマッティングリー監督はこう言った。 「東京五輪がどんな風に行われるかを知らないけれど、一度でも負けて終わりになるのならば何がおきるかわからない。でも日本は十分に注目をあびるチームになるだろう」