米経常赤字、第3四半期は13.1%増の3109億ドル 過去最高
[ワシントン 18日 ロイター] - 米商務省が18日に発表した第3・四半期の経常収支の赤字額は前期比359億ドル(13.1%)増の3109億ドルと過去最高を記録した。輸入の急増と第一次所得の減少が背景。ロイターがまとめたエコノミスト予想は2840億ドルの赤字だった。 第3・四半期の経常赤字の国内総生産(GDP)に占める比率は4.2%と、22年第1・四半期以来の高水準となった。第2・四半期は3.7%だった。ピークは05年第4・四半期の6.3%。 モノの輸入が237億ドル増の8372億ドルと、22年第2・四半期以来の高水準となった。コンピューター付属品や周辺機器・部品、および電気機器、部品、コンピューターなどの資本財の増加が主因となった。 消費財の輸入も、薬剤、歯科製品、医薬製品を中心に増加。5300億ドル増と輸出の136億ドル増を大きく上回った。 モノの貿易赤字は3073億ドルと、第2・四半期の2972億ドルから拡大し、22年第2・四半期以来の高水準となった。 第一次所得収支の収入は155億ドル減の3457億ドル。支出は38億ドル減の3612億ドルとなった。 第二次所得の収入は、2億ドル増の502億ドル。支出は161億ドル増の1120億ドルとなった。 米国の経常赤字が膨らんでいるものの、ドルが準備通貨としての地位を保っていることを踏まえると、現時点ではドル相場に及ぶ影響は限定されるとみられている。ただ一部エコノミストは、増加傾向が続けば状況が変化する可能性があると指摘している。 米国の財政赤字は24年度に1兆8330億ドルと、新型コロナウイルス感染拡大時を除いて過去最高水準に拡大。キャピタル・エコノミクスの北米チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏は「米国はもはや第一次所得収支の黒字を赤字抑制に利用できなくなっっている」とし、「経常赤字と財政赤字という『双子の赤字』を懸念しなければならない。双方とも長期的には本格的な債務危機や通貨危機に発展するリスクがある」と警告した。